クラウド活用の習熟度が高まるなか、「よりお得に活用する手法」に注目が集まってきた。仮想マシンの割引オプションを活用したり、仮想マシンを使わずにクラウドネイティブなサービスで機能を実現したりするユーザーが増えている。クラウドの利用コストを抑えられれば、その分、DX(デジタルトランスフォーメーション)など成長分野へのIT投資も厚くできる。

 クラウドを漫然と使っていては費用対効果は低い。知恵を絞って「けちけち」と使い倒して初めて、その真価は引き出せる。

 日本でも利用者が多いAWS(Amazon Web Services)を例に、クラウド利用を効率化し、コスト削減につなげる手法を探ろう。大きく3つある。通常の仮想マシンインスタンスよりも安価な「リザーブドインスタンス」や「スポットインスタンス」を使う手法、それにサーバーの準備が不要な「サーバーレス」の活用だ。

EC2の自動停止機能を組み込む

 まず、AWSの仮想マシンサービス「Amazon EC2」の料金の支払い方法を押さえよう。主に4種類ある。定価に当たるのが、利用時間に応じた従量制課金「オンデマンド」だ。割引オプションには、事前に必要なキャパシティーを予約する「リザーブドインスタンス」、2019年11月に新たに加わった「Savings Plans」、AWSの余剰キャパシティーから調達する「スポットインスタンス」がある。

 今回はオンデマンドの価格に比べて最大75%割引のリザーブドインスタンス、コンピューティングの利用料金を最大72%節約できるSavings Plansを取り上げる。

 オンデマンドでは、利用者はCPU、メモリーやストレージの容量、OSの種類を組み合わせたインスタンスタイプの中から、システム要件に合ったものを選択する。あとは、時間または秒単位(最低60秒)で、使った分に応じて料金を支払う。

 オンデマンドのコスト削減策で最も手軽なのが、「インスタンスを利用していないときは、停止しておく」というものだ。野村総合研究所(NRI)マルチクラウドインテグレーション事業部の遠山陽介GM(グループマネージャー)は、「特に非本番環境のEC2に対して、自動停止機能を組み込んでいるユーザーは多い」と話す。「AWS LambdaとCloudWatch Eventsを利用し、毎日定時にEC2インスタンスを停止することで無駄なコストが削れる」。

 オンプレミス(自社所有)環境で運用してきたシステムをAWSに移行する場合、当初はオンデマンドインスタンスを利用するケースが多い。その後、半年から1年間運用し、システムの負荷の度合いやピーク性などを把握したうえで、リザーブドインスタンスの利用を検討するのが次の段階である。

この先は日経クロステック Active会員の登録が必要です

日経クロステック Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。