AI(人工知能)やRPA(Robotic Process Automation)技術を活用して、企業が業務プロセスの自動化を加速させている。ただし現行プロセスの効率化にとどまるのであれば、将来の拡張性が見込めず、競合他社の優位に立つことは難しい。

 IDC Japanは、独自のWebリサーチにより国内ユーザー企業のAIへの取り組みとその成熟度、さらに新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が市場にもたらす影響、そしてAI人材確保などを予測した。コロナ禍後の日本企業のAI活用はどのように進むのだろうか。

AIを導入したものの成功している用途は少ない

 まず、国内ユーザー企業のAIへの取り組みについて、AIシステムを利用している320社の現状を聞いた。結果からは、AIのユースケース(用途)が社内外を問わないものへ拡大している半面、成功したと評価できている用途はあまり多くないことが見えてきた。

 AIが最も使われている用途は「品質管理」(15.0%)で、以下「ITオートメーション」(13.4%)が続き、「高度なプロセスオートメーション」と「自動顧客サービスエージェント」が10.0%で並んだ(図1)。

図1●ユースケース(用途)別のAI導入状況
2020年国内AIシステム/RPAソフトウェア市場企業ユーザー調査(2020年4月)
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 1位の「品質管理」は、不良品の検査にAIを応用するもので、画像認識で仕様外のものを見つけて歩留まりを高くするなどの例がある。「ITオートメーション」はITソフトウエアの開発・運用に自動検知を採り入れて、その現場をサポートするもの、「高度なプロセスオートメーション」は、弁護士や税理士やバイヤーなど、高度な知識が必要な人たちをAIがサポートする使い方である。「自動顧客サービスエージェント」は、顧客とのやり取りを自動化し、サービスの品質向上を目指すものだ。

 2019年に実施した同様の調査では、「経営状況の可視化」や「働き方改革」といった内向きの用途でAIを活用する企業が圧倒的に多かった。2020年の結果からは、例えば「サプライロジスティクス」や「貨物管理」など社外と連携する用途が増えていることが見えた。

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