日本企業を狙った標的型攻撃が高度化し、従来のような単純なウイルス対策や境界型セキュリティー対策では、クライアントのセキュリティーを守り切れなくなっている。日本を代表する大企業が相次ぎ標的型攻撃にさらされているなか、先進的な企業やこれまでに「痛い目に遭った」企業は、攻撃の検知とマルウエア感染後の対応に軸足を置いた、EDR(Endpoint Detection and Response、エンドポイントの検知と対応)と呼ばれる新しいマルウエア対策へ移行し始めている。その導入事例や技術的な特徴を解説しよう。
守り切れない時代のクライアントセキュリティー対策
出典:日経クロステック、2020年7月20日
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目次
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新旧セキュリティベンダー、ウイルス対策とEDRでガチンコ勝負
悪質化するサイバー攻撃への対抗策として登場した「EDR」は、今やセキュリティー製品ベンダーにとっても主戦場の1つだ。新興勢力と老舗が製品開発でしのぎを削り、ユーザー企業の選択肢も一気に広がりつつある。
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マルウエアの悪事を抑え込む、次世代セキュリティー対策「EDR」の4大機能とは
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「全部の攻撃は防げない」、逆転の発想でセキュリティー向上させた竹中工務店
日本の大企業を狙った不正侵入やマルウエア感染などの事件が続出している。進化し続けるサイバー攻撃を確実に阻止するセキュリティー対策は、もはや見当たらないのが実情だ。「防げない」ことを前提にした次世代の対策を急ぐ必要がある。建設大手、竹中工務店はこうした取り組みで先行する1社だ。