パソコンのセキュリティー機能を独自に強化する――。ここに来て大手メーカー間の競争が激化している。独自のセキュリティーチップなど特殊な部品を組み込み、マルウエアからユーザーを防御するソフトウエアを搭載する。ハードとソフトの両面で、サイバー攻撃対策が高度化している。セキュリティーが、法人向けパソコン選びの新たな基準になった。

 パソコンは汎用部品で作られたコモディティー商品だ。性能と価格を除けば、どのメーカーを選んでも大差はない――。そんなパソコン選びの“常識”が、過去のものになろうとしている。サイバー攻撃が急速に高度化する中、世界の大手パソコンメーカーがここ1~2年の間に相次ぎ、法人向けパソコンの分野で独自のセキュリティー機能の開発を進めているからだ。

 パソコン世界シェア1位の中国レノボ・グループは2018年、同社のセキュリティー機能に「ThinkShield」とのブランドを設定。ユーザー認証に使用する指紋データをパソコンのストレージではなく指紋認証モジュールの独立した領域に格納することで漏洩を防ぐ「Match-on-Chip」という仕組みや、有線LANや無線LAN、USB、カメラ、マイクなど多様な物理インターフェースの使用をファームウエアからきめ細かく制御する機能などを法人向けパソコンに搭載している。

写真 レノボの「ThinkPad X1 Nano」
出所:中国レノボ・グループ
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 世界シェア2位の米HPは自社開発したセキュリティーチップ「HP Endpoint Security Controller(ESC)」を法人向けパソコンに搭載。ファームウエアの改ざん防止や、改ざんされた場合の回復などに使用する。またHPは専門ベンダーを買収して手に入れた独自のマルウエア対策ソフトを法人向けパソコンに搭載して販売している。

写真 米HPの「HP ProBook 635 Aero G7」
出所:米HP
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 世界シェア3位の米デル・テクノロジーズもユーザー認証情報を専用チップに格納して守る「SafeID」を2020年から、ビジネス向けノートパソコンの上位機種である「Latitude」シリーズに搭載している。

写真 米デル・テクノロジーズの「Latitude 7300」
出所:米デル・テクノロジーズ
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