新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ目的で日本企業がテレワークの導入に踏み切ってから半年強が過ぎた。果たして日本のビジネス現場にテレワークは根付いたと言えるのか。オフィスへの「回帰」は始まっているのか。テレワークの実態を探るために「新たな働き方に関する調査」を実施したところ、興味深い結果が見えてきた。初回はテレワークの実施率について紹介する。
「直近1カ月において、あなたはテレワークを利用して職場(派遣・常駐先を含む)以外でどの程度働きましたか」と尋ねたところ、週3日以上テレワークを利用している人は41.9%だった(「働いていない」を除く。以下同)。ビジネスパーソンの4割強が出社よりもテレワークをメインに位置付けている実態が分かった。この半年間でテレワークが日本企業のビジネス現場に浸透したと言えそうだ。
調査は日経BP総合研究所 イノベーションICTラボが日経BPのデジタルメディアの読者・会員を対象に実施した。調査期間は2020年10月14日~30日。Webサイトを通じて回答してもらった。
テレワークを月1日以上実施している人の割合は68.9%だった。この結果をどう解釈すればよいのか。ここで日経BP総研が4月の緊急事態宣言直後に実施したテレワークの調査結果と比べてみる。そうすればこの半年間におけるテレワークの変化が分かる。
4月調査では月1日以上テレワークをしている人の割合は75.7%だった。つまりこの半年でテレワークを利用している人の割合は6.8ポイント下がったことになる。低下はしたが、それでも7割近い人が定期的にテレワークをしているという結果からすると、新しい働き方が浸透しつつあるとみなせる。
「週3日以上テレワーク」の人は22ポイント低下
一方で週3日以上テレワークをしている人の割合(41.9%)は、4月調査より22ポイント減った。緊急事態宣言の最中と比べると、オフィスに出社する頻度を増やす人がそれなりに伸びている。そんな現実も見えてくる。
テレワークについて自由意見に次のような書き込みがあった。「調査、ドキュメント作成などの作業ならよいが、打ち合わせや営業対応には向かない」(IT・通信、経営者・役員、60~69歳)。同意する人もいるだろう。
自宅か、それともオフィスかといった対立的な考え方ではなく、仕事の内容や目的に応じて自宅とオフィスを賢く使い分ける。ニューノーマルの時代には、このようなハイブリッドな働き方が求められそうだ。
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