デジタル変革への熱意の高まりを受け、日本IBMは支援事業体制の強化を急ぐ。同社を率いる山口明夫社長は米本社の戦略に沿ってグループを再編し、基盤を問わないシステム作りを目指す。柱の一つである銀行向け事業の強化へ、運用子会社の設立をはじめ攻勢をかける考えだ。
(聞き手は森重 和春=日経クロステックIT編集長、浅川 直輝=日経コンピュータ編集長、玉置 亮太=日経クロステック/日経コンピュータ、大川原 拓磨=日経クロステック/日経コンピュータ)
日本IBMにとって2020年はどのような年でしたか。
新型コロナ禍である部分ではアクセルを踏み、またある部分ではブレーキをかける難しい会社運営を迫られました。特に緊急事態宣言下において学校がクローズされた時のことが印象に残っています。
当社はそれまでもリモートワークを推進していましたが、子育てのため社員が仕事を進められない状況が突然発生したわけです。そのため社員に特別有給休暇を出して子育てに注力してもらいました。男性社員も含め3月以降700人が取得しています。
仕事に対する社員の考えに変化はありましたか。
今までは営業やプロジェクト進行で、客先へ頻繁に訪問したり積極的に出張したりする姿勢を「仕事をガンガンやっている」ものとして評価する風潮がありました。ですが家事や育児、介護などに追われ出社や出張への時間的な制約がある社員もいて、ある種の不公平感があったわけです。リモートワークで時間を有効活用できるようになり、不公平感が解消されつつあります。
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