DX分野で活躍するCIO(最高情報責任者)、CDO(最高デジタル責任者)などのデジタル変革リーダーやIT企業のキーパーソンを「賢者」として招き、仕事の成功・失敗について、MCの戸川尚樹(日経BP 総合研究所 イノベーションICTラボ所長)との対談によって振り返るトークショー。賢者の流儀を知ることは、DXで成果を上げるためのヒントとなるだろう。
「早く社会に出て、エンジニアとして活躍したい」。中学生時代に技術者になることを決意し、国立高専に進学。卒業後、ブリヂストンに入社した。R&D(研究・開発)部門を希望していたが、工場に配属。それでも目の前の仕事に打ち込んだ。
三枝 幸夫(さえぐさ ゆきお)氏
出光興産 執行役員 CDO・CIO 情報システム管掌(兼)デジタル・DTK推進部長
出光興産 執行役員 CDO・CIO 情報システム管掌(兼)デジタル・DTK推進部長

思い描いた通りに実際に動かす――。これに醍醐味を感じる三枝氏は、制御システムや生産管理システム、工場の理想像を描き、その通りに動かすことにやりがいを感じて、スキルを磨き、その幅も広げてきた。ブリヂストン時代、製造販売業からソリューションプロバイダーへ変身する手段として、デジタルトランスフォーメーション(DX)が不可欠であることを経営陣に提案。初代CDO(最高デジタル責任者)として変革を牽引した。その実績が高く評価され、出光興産からCDO就任のオファーを受けた。
「既存事業に対するリスペクトと何かしらの貢献をすること。これを常に意識して仕事を進めている」。新サービス・事業の創出を使命とする三枝CDO・CIOのモットーはこれである。日経BP 総合研究所 イノベーションICTラボが運営する会員組織「ITイノベーターズ」のエグゼクティブメンバーでもある三枝氏の仕事の流儀には、「目の前の仕事を好きになって、スキルの幅を広げる」ためのヒントが詰まっている。

対談の様子。動画は次ページでご覧いただけます
(撮影:村田 和聡)
- Chapter1:エンジニアを目指して高専へ、電子工学を学ぶ
- Chapter2:クルマ・オートバイが好きでブリヂストンに入社
- Chapter3:タイヤの生産スピード、他工場と競うのが楽しかった
- Chapter4:工場制御システムを開発、UXの大切さを体得
- Chapter5:米国時代の6年、マネジメントの面白さを知る
- Chapter6:バリューチェーンつなぐ組織の必要性を進言、初代CDOに
- Chapter7:出光興産のCDOに就任した理由
- Chapter8:既存事業に対するリスペクト・貢献を常に意識する
- Chapter9:私の思考回路は現代制御理論でできている
- Chapter10:「予見して実際に動かす」ことに喜び