DX分野で活躍するCIO(最高情報責任者)、CDO(最高デジタル責任者)などのデジタル変革リーダーやIT企業のキーパーソンを「賢者」として招き、仕事の成功・失敗について、MCの戸川尚樹(日経BP 総合研究所 イノベーションICTラボ所長)との対談によって振り返るトークショー。賢者の流儀を知ることは、DXで成果を上げるためのヒントとなるだろう。
異色な経歴を持つCDO(最高デジタル責任者)の1人といえば、IHIで常務執行役員 高度情報マネジメント統括本部長を務める小宮義則氏である。大学卒業後、経済産業省に入省し、IHIに入社するまでは特許庁長官だった。
小宮 義則(こみや よしのり)氏
IHI 常務執行役員 高度情報マネジメント統括本部長
IHI 常務執行役員 高度情報マネジメント統括本部長

「デジタル変革によってIHIをもっと強くし、日本の製造業の競争力向上にも貢献したい」。天下り官僚であり、IHIの社歴はまだ浅い小宮氏だが、官僚時代も今も仕事への情熱は冷めることはない。そんな小宮氏の転機は、当時望んでいなかった韓国駐在の時代だったという。「『全ての上司の言うことを聞こう』として中途半端になった」という過去の失敗談も明かす。
「不遇の時に踏ん張れば、その後はぐっと運がよくなる」と言い切る小宮氏は長年、その時々で精力的に人脈を築き、様々な情報を収集し続けてきた。小宮氏のモットーは、「志のある人と深く付き合う」ということである。「人と深い付き合いをしないと、ストーリーは思い浮かばない」や「『人をだまして自分だけ生き残ろう』は透けて見える」と言い切る。日経BPが運営する会員組織「ITイノベーターズ」のエグゼクティブメンバーでもある小宮氏の仕事の流儀は、仕事への情熱を持ち続けるためのヒントが詰まっている。

対談の様子。動画は次ページでご覧いただけます
(撮影:村田 和聡)
- Chapter1:通産省4年目に「オゾン層保護問題」を任される
- Chapter2:「全ての上司の言うことを聞こう」として中途半端に
- Chapter3:傷心の異動、37歳で韓国へ
- Chapter4:初心に戻る、人脈を広げ情報収集を徹底
- Chapter5:小宮レポートにファンがつく
- Chapter6:尖ったお題を出して尖った意見を集める、知財戦略作りの方針
- Chapter7:人と深い付き合いをしないと、ストーリーは思い浮かばない
- Chapter8:「人をだまして自分だけ生き残ろう」は透けて見える
- Chapter9:仕事の重要な場面に友人が突然、現れる
- Chapter10:運のいい人は、不遇の時に踏ん張っている
- Chapter11:付き合いの長い人に共通することは「志」