DX分野で活躍するCIO(最高情報責任者)、CDO(最高デジタル責任者)などのデジタル変革リーダーやIT企業のキーパーソンを「賢者」として招き、仕事の成功・失敗について、MCの戸川尚樹(日経BP 総合研究所 イノベーションICTラボ所長)との対談によって振り返るトークショー。賢者の流儀を知ることは、DXで成果を上げるためのヒントとなるだろう。
三菱ケミカル時代に、老朽化したITシステムの再構築やIT組織の強化などを加速させるため、グローバルでのシステム統合やITガバナンスの確立を牽引した板野則弘氏。その手腕を買われ、2021年4月1日に三菱マテリアルに電撃移籍し、同社のCIO(最高情報責任者)に就任した。
板野 則弘(いたの のりひろ)氏
三菱マテリアル 執行役員 CIO システム戦略部長
三菱マテリアル 執行役員 CIO システム戦略部長

生産技術のエンジニアとしてキャリアをスタートさせた板野氏。その後、情報システム部員へとキャリアチェンジした理由。「日本のことを知らない」と痛感させられた米国シリコンバレー時代。eマーケットプレイスによって、日本の化学業界を変革しようと2000年から約6年間、力を尽くしたものの、その夢がかなわなかったエピソード…。
変革のためにはもっと人間を深く知る必要がある――。これが、日経BP 総合研究所 イノベーションICTラボが運営する会員組織「ITイノベーターズ」のエグゼクティブメンバーでもある板野氏がこれまでの経験で得た教訓だ。「アウェアネス(気づき)とコンパッション(思いやり)を大事に仕事に取り組む」と言う板野氏のキャリアや仕事の流儀を見てみよう。

対談の様子。動画は次ページでご覧いただけます
(撮影:村田 和聡)
- Chapter1:最初は生産技術分野のエンジニア
- Chapter2:生産技術拠点を立ち上げるため米国に駐在
- Chapter3:「日本のことをいかに知らないか」に気づく
- Chapter4:「ITをビジネスに生かしたい」、システム部門へ移籍
- Chapter5:化学業界向けEC(電子商取引)の実現に腐心
- Chapter6:DXで最も難しいのは実装・運用すること
- Chapter7:日本の製造現場のオペレーションレベルはかなり高い
- Chapter8:マインドフルネスやリベラルアーツを学ぶ理由
- Chapter9:技術だけでなく、人間のことをもっと深く知ることが必要
- Chapter10:アウェアネス(気づき)とコンパッション(思いやり)を大事に
- Chapter11:今ハマっているのは縄文時代の研究