コロナ禍によってテレワークが急速に普及してから早1年が経過した。新型コロナウイルスの感染拡大は収束する気配はなく、今後も在宅勤務を中心としたテレワークは続くとみられている。ITの現場のマネジャーやリーダー(以下、上司)は部下の状況をリモートで把握して業務を進めなければならない。

 しかしテレワークではオフィスよりも部下の様子を把握するのが難しい。人事コンサルタントでテレワークのマネジメントに詳しい、リクルートマネジメントソリューションズの武藤久美子シニアコンサルタント/主任研究員は「オフィスでは“できる上司”だった人の得意技が封印される」と説明する。

 オフィスでは、部下がきちんと業務を進めているか、体調はどうかといったことを、日ごろの何気ない雑談や顔色から把握できた。部下の機微を感じ取ることが得意で、いち早く問題を察知して対策を講じる。そんな人が優秀な上司だった。

 しかしテレワークではそうはいかない。ビデオ会議などでコミュニケーションは取れるが、オフィスでの対面の打ち合わせのように部下の様子を詳しく把握するのは困難だ。

 では、どんなマネジメントがテレワークでは有効なのか。本特集ではテレワークの導入で発生しがちな課題と、現場の工夫点に焦点を当てて解説していく。

進捗が分からず困る上司

 テレワークの導入で部下からの報告が上がってこなくなった。部下はきちんと業務を進めているのだろうか――。こうした悩みを抱える上司は少なくない。オフィスと違ってテレワークだと、さりげなく部下の様子を確認するのが難しい。部下にとっても、上司と顔を合わせたり雑談したりする機会が限られるため、ネガティブな状況を伝えるのはおっくうになる。そのため上司は部下の状態に気をもむことになる。

(出所:123RF)

 「テレワーク環境にうまく順応できない上司は、何かあれば相談してと放置するか、過剰なマイクロマネジメントになりがち」と前出の武藤主任研究員は指摘する。マイクロマネジメントとは細かい管理を指す。例えば報告がないことを心配した上司は、部下の状況を確認するためにビデオ会議ツールやビジネスチャットで問い合わせる。進捗をきちんと把握しておきたい上司ほど、問い合わせの頻度は増していく。それがエスカレートして30分に1度問い合わせるようになれば、明らかに行き過ぎだ。部下からすれば監視されているような気分になり、仕事の生産性は上がらないだろう。

 テレワークで部下から報告がなく、進捗の把握が難しい状況をITの現場ではどのように改善しているのだろうか。

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