本特集の第1回ではSAP S/4HANA移行の担当者として何にどのように取り組む必要があるのか、現場へのサポートを提供するITベンダーの現状、S/4HANA導入の進め方の全体像、プロジェクト規模の把握の方法などを解説した。

 第2回では、フェーズ2におけるタスクの進め方について述べる。フェーズ2とは、フェーズ3以降の次期基幹システム開発プロジェクトの始動に必要な準備をする段階だ。

S/4HANAへの刷新のフェーズ
(出所:日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ)
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 主要な業務改革プロジェクト数の把握や現行システムのドキュメント類の棚卸しなど、現行の業務とシステムの整理が中心になる。現状の整理に加えて、「S/4HANA勉強会」も実施すべきタイミングである。

現行業務およびシステムの整理

 フェーズ2ではフェーズ3に備えて、業務上の課題やシステム上の課題について情報収集をする。

 以下の課題は、筆者が実際に経験した事例である。会計伝票に製品名や販売数量などを入力する際、システム変更が容易にできないため、新規事業に対応するためのデータを事前にExcelで整理しなければならなかった。基幹システムとExcelでの二重管理になっていた。

 課題は、業務運用部門やIT部門で認識している事項である。

課題に関する調査シートの例
(出所:日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ)
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 Lv3程度の詳細度で業務を一覧化した調査シートを活用し、アンケート形式で調査することを推奨する。この段階では、業務の網羅的把握が目的ではないため、例えば「Lv1財務会計」→「Lv2債権管理」→「Lv3入金消し込み」といった内容で調査する。アンケート結果を踏まえて、課題内容を確認するために追加ヒアリングも実施し、改革テーマや課題をより細かく把握する。

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