コロナ禍で盛り上がるフードデリバリー市場に海外企業の参入が相次いでいる。日本のフードデリバリー普及率が低く、市場開拓の余地が大きいことがコロナ禍で明らかになったことがその背景にあるが、参入企業の多さに過当競争の懸念も出てきている。どれだけの企業が生き残れるのだろうか。

コロナ禍での市場成長を受け国内参入が急増

 コロナ禍でフードデリバリー市場への参入が相次ぎ、競争が激しくなっている昨今。その業界動向を追ってみると、競争激化の要因は外資系企業の参入によるところが大きい。外資系フードデリバリーサービスとしては米Uber Technologies(ウーバー・テクノロジーズ)の「Uber Eats」が知られているが、2020年に入ると、他の外資系のフードデリバリー事業者が相次いで日本への参入を打ち出してきたのだ。

 2020年3月にフィンランドのWolt(ウォルト)が参入したのを皮切りとして、中国の滴滴出行(DiDi)の日本法人の1つであるDiDiフードジャパンが「DiDi Food」を開始。ドイツDelivery Hero(デリバリーヒーロー)の「foodpanda」も日本進出を果たした他、韓国のWoowa Brothers(ウーワブラザーズ)も日本法人を設立して「FOODNEKO」というサービスを開始している。

2020年は外資系のフードデリバリーサービスが相次いで国内進出を果たした。「DiDi Food」は2020年4月に大阪府大阪市で実証実験を開始した
(出所:DiDiフードジャパン)
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 そして2021年に入ると、6月に米国のフードデリバリーサービス最大手であるDoorDash(ドアダッシュ)が日本進出を発表。わずか1年余りで、いかに外資系企業がこぞって日本に進出してきたかが分かる。

米国のフードデリバリーサービス最大手であるドアダッシュも2021年6月9日に日本進出を発表。宮城県仙台市からサービスを提供するとしている
(出所:DoorDash Technologies Japan)
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 なぜこれほど多くの外資系フードデリバリーサービスが日本に進出してきたのか。いわゆる「ギグワーカー」(ネットを通じて単発の仕事を請け負う労働者のこと)を起用して配送網を構築し、幅広い飲食店の料理を届けるフードデリバリーサービスは海外の多くの国で急速に普及が広がったが、日本で普及が進んだのはごく最近。海外と比べフードデリバリーサービスの普及率が低いことが以前から指摘されていた。

 それゆえ多くの外資系企業は以前より、開拓が進んでいない日本市場の将来性に目を付けていたとみられるが、急に参入が相次いだのは新型コロナウイルスの感染拡大も大きいだろう。2020年に感染が拡大し、外出自粛が求められたことで日本でもフードデリバリーサービスが急成長をみせたことから、進出を急いだといえる。

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