ソフトバンク傘下でスマートフォン決済の「PayPay」を提供するPayPay社は2021年8月19日、中小の加盟店向け手数料を発表。有料マーケティングサービス「PayPayマイストア ライトプラン」加入者には手数料を優遇し、取引金額の1.60%と安価な水準に抑える施策を打ち出した。だが、3年間決済手数料無料という優遇を得てきた加盟店からの支持は得られるだろうか。

手数料無料策が終了、PayPayはどう動いたか

 QRコードを用いたスマートフォン決済サービスは、多数のプレーヤーが参入し競争が激化。そのため顧客に向けた高還元率のポイント還元キャンペーンだけでなく、決済を利用する加盟店開拓に向けた優遇施策も積極的に展開してきた。その代表例となるのが、MPM(Merchant-Presented Mode)方式でサービスを導入した中小店舗に向けた決済手数料無料策だ。MPMとは、顧客が自身のスマートフォンでQRコードを読み取って決済する方式のことである。

 中小店舗におけるキャッシュレス決済導入の最大のハードルといわれていたのが、決済金額から徴収される決済手数料の存在であった。そこで利用できる店舗を広げたいスマートフォン決済各社は2018年、MPM方式でサービスを導入した中小店舗の決済手数料を3年間無料にする優遇策を相次いで打ち出した。

 それが中小店舗のスマートフォン決済を加速させる要因の1つとなったことは確かだが、その3年の期間が終了する2021年半ばに入ると、各社には無料策を終了させ、中小店舗からも決済手数料を徴収することとなった。日本では現金の利用を好む人が多いだけに、ただでさえコロナ禍で店舗が厳しい状況にある中にあって、手数料の徴収が始まるとなると利用をやめてしまう店舗が相次ぐことが懸念されている。

 ただ一方で、決済事業者側も収入を得なければ事業を継続できないだけに、決済手数料の徴収は避けられない。そこで各社は約束通り、無料策を始めてから3年が経過したタイミングで決済手数料の徴収を開始しているわけだ。その決済手数料に関して、大きく動いたのがPayPayを展開するPayPay社である。

 PayPayはユーザー数が累計で4100万を超え、決済回数が2020年には17.9億回に達するなど、スマートフォン決済サービスの中では最大規模となっている。だが一方で、PayPayは大型店だけでなく中小店舗の開拓も積極的に進めてきたことから、決済手数料無料策終了の影響が最も大きいと見られており、その動向が注目されていた。

PayPay社は2021年8月19日に「PayPayの新しい取り組みに関する説明会」を実施。全国のPayPay加盟店を対象とした20%還元キャンペーン「街のPayPay祭」の実施などを発表している
PayPay社は2021年8月19日に「PayPayの新しい取り組みに関する説明会」を実施。全国のPayPay加盟店を対象とした20%還元キャンペーン「街のPayPay祭」の実施などを発表している
(出所:PayPay)
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