ブロックチェーン技術の応用はエンタメ分野や金融分野に限らない。行政サービスへの応用に取り組む自治体が増えている。スマートフォンで住民票を受け取り企業などに証明書として提出したり、インターネット投票に利用したりする実証を行っている。また、食品の廃棄ロスなどを減らすために企業の枠を超えたサプライチェーン改革に応用する構想も登場している。

証明書の真正性の検証にブロックチェーン技術を利用

 福岡県飯塚市は2021年1月から3月にかけて、住民がいつどこからでも住民票などの各種証明書を自分のスマホのアプリで受け取れる実証実験を行った。

 住民はアプリ上で証明書を取得し、企業などに提出する。受け取った企業は証明書が本物であるとインターネット上で確認できる。紙の証明書をやりとりする必要はない。この本物であるかどうかの確認にブロックチェーン技術が利用される。

 飯塚市は、証明書データに「自らの組織が電子文書を作成した」ということを証明できる電子署名と、「文書の交付時刻」を証明できるタイムスタンプを付与する。そして、電子署名したデータと交付日時の要約(ハッシュ値)をタイムスタンプにまとめて保管する。

 このタイムスタンプがブロックチェーン技術によって、文書の作成後に改ざんされたかどうかを確認できるようになっている。この仕組みはブロックチェーン技術の開発を手掛けるchaintope(チェーントープ)が独自に設計した。

福岡県飯塚市が実施した住民票などのデジタル化社会実験の概要
福岡県飯塚市が実施した住民票などのデジタル化社会実験の概要
(出所:chaintope)
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 証明書データにタイムスタンプを付与する認証局は飯塚市とchaintopeが独自に構築して運用する。タイムスタンプの情報はchaintopeのブロックチェーンプラットフォーム「Tapyrus(タピルス)」を使ってインターネット上に公開する。

 実証実験では飯塚市のサーバーだけで構築したが、今後の運用では複数の自治体や企業などによって安全に分散管理する予定だ。

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