本連載では、企業のデジタルマーケティングを支援してきたNexalが、データをビジネスに結び付ける環境づくりやツールの活用について解説している。今回は、SFA(Sales Force Automation:営業支援システム)に受注確度を入力する価値と、そのマーケティング面での活用について解説する。

(出所:123RF)
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 ある企業の営業部門は受注・売り上げの見込みが甘く、四半期ごとの上振れ下振れの幅が大きい。受注実績が当初の予定を大きく上回る期があっても、喜んでばかりはいられない。人材の適正配置のほか、営業手法の見直しやテコ入れなどを進めづらくなり、経営判断も難しくなってしまう。

 上振れ下振れの原因は、営業部門の体質が古いことにある。ほとんどの営業部員が、受注が不確実な「見込み情報」を隠すという文化の下で、SFAへの営業案件の登録や受注確度を意味する「ステータスコード」の更新を怠っていたのだ。

 日々の活動に追われる担当者からすると、SFAに情報を登録することが難しいという言い分もある。しかしこれでは、案件ごとの受注確度が把握できない。部署全体としても、期の締めの直前になるまで、実績を見通せないのだ。

 Nexalは企業からこれまで何度も、「営業担当者にどうやってSFAへの入力を促せばよいか」という相談を受けてきた。今回はこうした疑問に答え、SFAのマーケティング的な活用法を解説する。

営業担当者がSFAに登録しないのには理由がある

 SFAとはその名の通り、営業現場の担当者を支援するためのシステムである。営業活動に必要な情報や機能を提供し、営業担当者は顧客から得た最新の情報を登録していく。中でも案件と案件ごとの受注確度は、重要な意味を持つ。

 一般的に外資系企業では、営業部門の社員は競ってSFAに手持ちの案件を登録する。これは、SFAへの登録が個人のインセンティブと強く結び付いているからだ。同僚であっても実績を競うという環境の下、受注に至った案件が、最初にSFAに案件を登録した社員の実績になる場合が多い。

 多くの日本の企業ではこうはいかない。SFAに登録すると、上司から「あれはどうなったんだ」と何かと問い合わせが入るデメリットが多く、登録する気にならないのだという。外資系のように明確なインセンティブがないこともあってメリットを感じられず、SFAへの入力を面倒に感じるという話もよく聞く。

 つまり、SFAに情報がしっかり登録される状態になるには、現場の営業担当者に対し登録するメリットを用意して、それを知らせることが重要だ。例えば、入力するとその情報に基づいて上司や社内の仲間がサポートしてくれるというようなメリットだ。

 ある企業では、SFAに登録されたデータを基に、営業部のマネージャーが担当者を週次の会議などで丁寧にフォローする。メリットが明確なら、現場の社員も進んでSFAに案件を登録するだろう。

SFAによるパイプライン可視化で営業力が上がる

 営業部門の社員が享受できるSFAのメリットはほかにもある。例えば、SFAに蓄積されたデータを基に、商材別や市場別、テーマ別にパイプライン(顧客との最初のコンタクトから受注までの一連の流れ)を可視化すること。これにより、営業活動をより効果的なものに改善できる。

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