本連載では、企業のデジタルマーケティングを支援するNexalが、データをビジネスに結び付ける環境づくりやツールの活用について解説している。第7回の今回は、MA(Marketing Automation)ツール(以下、「MA」)をBtoBで効果的に使うために、導入前にすべき4つの準備を解説する。

(出所:123RF)
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導入したのになぜ活用できないのか

 MAとは、マーケティング業務の一部を「自動化」するためのツールである。自社のWebサイトの閲覧や、サイトからの資料ダウンロードやイベント参加といった顧客(商談対象となるお客さま)の行動を追跡し、企業名や部署名などの属性情報とひもづけて管理する。さらに顧客の行動をトリガーにして、あらかじめ用意したシナリオに沿ってメールを配信したり、セミナーに招待したりといったマーケティングコミュニケーションの実行を自動化する。

 国内上場企業のMA導入率は、2021年1月時点で11.3%であり(Nexal調べ)、2020年から2.4ポイント増加していた。2022年1月時点では速報値で約13%となった。同調査の手法については、こちらの記事 国内企業が最も多く導入しているMAは何?、タグ実装調査で見えた利用実態 を参照。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、MAの導入はさらに加速している。テレワークの普及によって、電話や訪問によるアプローチや、展示会での新規開拓が困難になり、営業の対面による商談数が急激に低下していることが要因だ。

 特にこれまでマーケティングをしてこなかった企業が、余った交際費やイベント予算でMAを導入するケースが目立っている。ただ、オンラインで何かしようとMAを“慌てて導入”した企業では、残念ながらMAの持つ機能をほとんど使いこなせないまま放置している惨状が散見される。

MA導入前にすべき4つの準備

 MAは、導入した企業が漏れなく効果を得られるものではない。以下に示す4つの準備が完了していないと、MAを十分に機能させることは難しい。

 具体的には、(1)コンテンツ、(2)万単位のリード情報(3)個人情報保護への対応(4)データベースの整備である。順に見ていこう。

(1)コンテンツ

 自社のWebサイトに、顧客が検索エンジン経由でたどり着くようなコンテンツや、訪問した人の役に立つコンテンツが必要だ。サイトに「マーケティング目的で貢献できるコンテンツ」(この部分については後述する)がない場合、MAの導入は時期尚早というほかない。

 コンテンツがないと、MAで顧客がサイト内のどのページを訪問し、どれぐらい滞在したといった足跡情報を収集できず、行動履歴に合わせてマーケティング施策を自動化するというMA本来の機能を発揮できない。MAの導入を検討するなら、先にコンテンツの充実を図るべきだ。

(2)万単位のリード情報

 ここでいうリード情報とは、営業担当社員が交換してきた名刺や展示会で集めた名刺、問い合わせフォームに入力された内容など名前や所属先などが判明した顧客情報のことである。リード情報が手元に数百件しかない場合、MAを使って施策を自動化するメリットは小さくなるだろう。

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