企業のデジタルマーケティングを支援するNexalが、ビジネスにデータを活用する方法やそのためのツールを解説する本連載。第11回は、企業の公式Webサイトに掲載する情報やマーケティング支援コンテンツを管理するCMS(Content Management System)を取り上げ、活用に当たっての注意点などをまとめる。

(出所:123RF)
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CMSからWEMへ、最適表示や多言語展開も

 CMSは、Web制作の専門知識やプログラミング言語を持たない利用者でも、Webサイトの更新や管理ができるようにするツールのことだ。1つの記事や情報を複数の目的で活用する“ワンソース・マルチユース”を可能にするソリューションとして企業で導入が進み、今では広く普及している。HTMLを使ったコーディングを不要にすることで、製品・サービスや事例に精通した事業部門の担当者が、手軽にコンテンツを作成・公開できるという利点がある。

 海外では10年ほど前から、CMSを発展させた「WEM(Web Experience Management)」が広まってきた。サイトにアクセスした顧客の体験を設計するためのWebという考え方で、単にコンテンツの投稿や管理を簡便化するにとどまらず、顧客とのデジタル接点として機能するようなWebサイト作りに寄与する機能が強化されている。

 例えば、MA(マーケティングオートメーション)ツールと連携することで、顧客の興味・関心に応じて表示するコンテンツを変えられる。会員制サービスを展開しているコンシューマー向けのWebサイトでは、会員のランクに応じて表示する情報を変えることも可能だ。

 BtoBの場合でも、潜在顧客へのアプローチはもちろん、既存顧客に購入済みの製品の関連サービスを紹介したり、タイミングよくリプレースを促す情報を見せたりできる。顧客ごとに魅力的な体験(エクスペリエンス)を提示する「アカウントベースドエクスペリエンス(ABX) 」にも有効といえる。

 顧客ではなくパートナー向けのコンテンツにCMSを活用する企業もある。あるメーカーは、販売代理店などに製品情報や在庫状況などをタイムリーに提供できるよう、CMSと商材データベースを連動させた独自アプリを開発したという。

 さらに、あらかじめ決めたシナリオに従って、多くのユーザーが支持したコンテンツを優先的に表示する機能を備えたツールもある。「このようなユーザーにはこの情報を表示する」という最適化を人手で実現する場合、労力が大きくなる。シナリオ機能を持ったCMSを使えば、労力をほぼかけることなく、100点満点とはいかなくとも合格点の成果を得られる。こうした機能は、特にコンシューマー向けのWebサイトで取り入れられることが増えてきた。

 グローバルにビジネスを展開する企業では、英語で制作したコンテンツを他の言語に翻訳し、各国語版のコンテンツを生成する機能を持つCMSの導入が進んでいる。もともと機械翻訳ツールを提供していたベンダーが、この多言語展開機能を売りにしたCMSの提供を始めた例もある。ただし翻訳の基になる言語は、独特の表現が多い日本語よりも他言語への変換がこなれている英語を選んだ方が無難なようだ。

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