デジタルデータを活用することによって、企業のビジネスや業務を変革するデジタルトランスフォーメーション(DX)。企業活動のあらゆる領域でDXが期待され、その取り組みが多くの企業で進められている。

 例えば、生産/物流におけるサプライチェーンマネジメント(SCM)の領域では、全社部門横断での需要・供給予測や在庫の最適化、物流の可視化による高度なトラッキング、生産現場におけるIoT活用などが進んでいる。また、営業における顧客関係管理(CRM)の領域では、サードパーティーのDMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)やGPS・天候などを活用した高度なマーケティング、営業現場における人工知能(AI)を活用した高度化・効率化などが進んでいる。なお、DMPとはインターネット上にあるWebサイト行動履歴や属性情報などのデータを管理するためのプラットフォームである。自社データだけでなく、サードパーティーが持つデータも活用することで、より細かい属性でターゲティングできるようになるなど、きめ細かい効率的なマーケティングが可能になる。

時間が止まったままの販売プロセス

 では、CRMとSCMのつなぎの領域である販売プロセスのDXは進んでいるのだろうか。

 われわれは、業務改革・次期システム基盤構築の事前調査フェーズとして、プロセスマイニングとデジタルサーベイソリューションを活用した「現状可視化プロジェクト」を実施している。それらのプロジェクトから見えてくる多くの販売現場の実態は、以下のようなものだ。

  • ERP(統合業務パッケージ)で管理されるスペックや組み合わせなどの部品構成が複雑であるため、販売担当者が販売現場で活用できず、部品構成を含めた価格回答はSCM部門に問い合わせて回答している
  • ERPで管理される在庫の粒度が部品単位など細かいため、販売担当者は活用できていない。SCM部門から月に1回受け渡される販売実績と一部の在庫を管理するExcelファイルを利用しているため、古い在庫データで条件交渉をしている

 つまり、販売現場の多くはいまだに価格・在庫データは実際に利用できる状態にはなっていないし、価格や在庫に関連する多くの業務はマニュアル作業というのが実情なのである。これは、SCMのデータがCRMで活用できておらず、SCMとCRMが販売プロセスで分断されているために、販売プロセスのDXはまだ発展途上だということを示している。

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