私たちはPCやスマホでWebブラウザーを使わない日はないといってもよいでしょう。様々な記事を読む他、メール、音楽や動画、SNS、ショッピング、チャットやビデオ会議、書類作成など、いまやOSにインストールするアプリでできる多くのことをWeb上でできるようになりました。この特集では、そうしたWebの最新技術を解説します。
Webブラウザーでいろいろなサイトを見たり検索で調べ物をしたりしていると、ネット広告を見かけるはずです。例えば、あるECサイトで椅子を検索し商品を見た後で、別のサイトを閲覧すると、さっきのサイトで調べていた商品がまた表示されるということはよくあります。
これはユーザー(Webブラウザー)の行動履歴をいろいろな方法でトラッキングすることで実現しています。このトラッキングには主にCookieが利用されています。ユーザーが直接アクセスするWebサイトAから発行されるCookieのことを「ファーストパーティーCookie」、トラッキングを実施するWebサーバーXから発行されるCookieのことを「サードパーティーCookie」と呼びます。
WebサイトAを見ているときに、HTMLに埋め込まれているJavaScriptによってWebサーバーXに対してCookieが発行されます。これにより、ユーザーが別のサイト(WebサーバーB)に行ったときも、サイトを越えてユーザーの動きをトラッキングできるというわけです。またユーザーのIPアドレスも収集することによって、大まかな位置情報、場所を移動した状況といったこともトラッキングできます。
筆者は個人的に、サイトを越えて商品の広告やレコメンデーションが表示されるのは、非常に気持ちが悪いと感じています。また訪れてもいないWebサイトから勝手にCookieが発行されるのも、あまり気持ちのよいものではありません。
最近ではCookieを自動で取得するのではなく、許諾を求めるダイアログボックスを表示するサイトもよく目にするようになりました。利用目的を提示した上でCookieや個人情報をユーザーの許諾の下に行う必要があるためです。これはGDPR(一般データ保護規則)による影響もあります。