2021年3月30日に、「伊那市DXしあわせのまち宣言」を行った長野県伊那市。様々な地域課題に対してテクノロジーを活用し、生活の利便性の追求や暮らしの豊かさ、働き方の変革などにつなげるデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する。

 その取り組みの1つとして、2019年末から実証実験を行ってきたモバイルクリニック事業が、2021年度に本格運用を開始した。

伊那市のモバイルクリニック事業を行うINAヘルスモビリティ
伊那市のモバイルクリニック事業を行うINAヘルスモビリティ
(写真提供:伊那市)
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 モバイルクリニック事業は、各種の医療機器を搭載した専用車両「INAヘルスモビリティ」に看護師が同乗して患者宅に出向き、ネットワーク経由の診療により医療機関内の医師が診察を行う在宅医療で、遠隔医療の一種とも言える。通院が困難になった高齢患者に対する医療提供の継続に加えて、通院時の待ち時間解消、医師の訪問診療の効率化などを可能にする取り組みだ。医療×MaaS(Mobility as a Service)の実現により、医療過疎問題の解決に役立つのではないかと、全国の自治体から注目されている。

「伊那市新産業技術推進ビジョン」の1つとして始動

 伊那市は、2016年5月にIoT(インターネット・オブ・シングズ)やAI(人工知能)などの新産業技術を使った地域課題の解決と地域活性化を目的に、伊那市新産業技術推進協議会を設立。その後、地域課題、産業の振興、自然環境、教育などをテーマに議論を重ねてきた。

 中でも力を入れているのが、生活基盤の確保だ。地域の人口減少・高齢化が進む中で、路線バス運行の撤退や医師不足による医療過疎などが、生活基盤の課題として挙げられる。伊那市は、これらをITを中心とした新たな技術の活用で解決しようとしている。

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