新型コロナ禍におけるSE営業は、顧客との接触方法が以前のように対面にはならず、ほぼオンラインになった。メールや日報などのテキストでの確認や報告が増えている。3回目は報告書の文章を取り上げる。架空のキャラクター、新米SE営業の江水くんと先輩の白鳥さんに登場してもらい、報告書の言葉から読み取れる「商談のリスク」を押さえよう。

 なおここに挙げる内容は著者の体験に基づいており、あくまで一例だという点をあらかじめお断りしておく。

報告文章には多くの場合、リスクの予兆を表す言葉が入っている
報告文章には多くの場合、リスクの予兆を表す言葉が入っている
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「違和感」を意識する

 江水くんの会社でも、テレワークが中心の仕事スタイルになると、以前に比べ上司への報告を口頭よりもテキストで実施するケースが増えています。

 先輩の白鳥さんは毎日、報告書を数多く読んでいます。それぞれの担当者が案件ごとに訪問など動きがあるたび作るので、結構な量になるのです。江水くんは横で見ながら「読むのが大変だろうな」と思っていました。ところが、白鳥さんは全く大変そうな表情もせずこなしています。

江水:報告を読むのは大変じゃないですか?大量ですよ。
白鳥:そんなことないよ。読み方にコツがあるからね。
江水:参考までに教えていただけますか。
白鳥:いいよ。そもそも、営業担当者の報告が理解できる?

 このような質問を白鳥さんが聞くにはそれなりの理由がありました。最近までSEだった江水くんが書いたり読んだりしてきた報告書は、顧客とシステムなどの仕様を詰めたり、どうやれば実現できるかを話し合うなどの具体的な商談に対する打ち合わせの結果が中心でした。

 白鳥さんは「報告の読み方は役割や立場によって違うけど、僕が気にしているのは、この報告から今後、手を考えておかないと商談が危うくならないかの予兆をつかむことだ」と言いました。そうすれば状況が悪化してトラブルになってしまうのを防げるからです。

 最近、顧客とじっくり話し合う機会が減っていることもあり、営業部門全体にトラブルが増える傾向を心配した白鳥さん。新米SE営業の江水くんにも目の前で起きることだけではなく、トラブルの予兆となる「違和感」が案件の中にないかを今から意識してほしいと思っているようです。

この言葉を見たら早期対応を

 ではさっそく見ていきましょう。江水くんの会社の営業支援システムを利用する顧客企業について、先輩による日報の一部です。この報告からどんなことが分かりますか。

【日報事例1】顧客(C社の田中さん)からのヒアリング
 田中さんは、営業支援システムを導入しているのに相変わらず受注精度が悪いということを指摘している。田中さんの部内で、他社(システム)も踏まえ、運用を含めてシステムを再検討しろとなっていると思われる。

 機能やコストを比較検討した結果、「現状の営業支援システムでやっていくことがよい」とまとまったようだが、一部の部門から「本当に改善できるのか?」と指摘されている。

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