筆者は、多くの製造企業の人材育成支援を手掛けています。本社だけでなく工場勤務の従業員のキャリア研修をしたり、相談に乗ったりすることもよくあります。

 これまで、工場勤務ならではの不満や悩みを多く耳にしてきました。それらを解消すべく転職を志す人も少なからずいました。

 そうした人の気持ちがよく表れていると感じたのが、求人サイト運営などを手掛けるビズヒッツが2021年11月26日に公開したアンケート結果です。工場勤務から他職種に転職した経験を持つ431人に対して、転職理由などを尋ねています。

 多くの回答を集めた転職理由は以下の通りでした。この中から主なものを、筆者の視点で分析してみたいと思います。

「工場勤務から転職した理由」ランキング(出所:ビズヒッツ)
「工場勤務から転職した理由」ランキング(出所:ビズヒッツ)
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単純な仕事はたくさんある

 まず1位になった「仕事内容への不満」を見ると、作業が単純で慣れなかった、単調な仕事に飽きてしまったといった意見が並んでいます。確かに、指示されたこと、すべきことが決まっている定型作業を黙々とこなす日々が続くと「単調だ」と感じることでしょう。しかし「ゴールがはっきりしていて、それを達成すれば業務は終わり」と捉えることもできます。

 また、単調なのは決して工場勤務に限ったことではありません。この調査では工場勤務からの転職先も尋ねていましたが、1位は「事務」でした。事務仕事にも定型作業は多く含まれています。筆者は人事の経験が長いのですが、人事も同様でした。

 同じ定型作業でも、モノを相手にする工場の仕事と、人を相手にする事務や営業などの仕事とでは、適性が異なります。合っている人は単調さをむしろ楽しく感じますが、合わなければつらくなります。また人相手の仕事の場合、仕事で関わる人がどんな人かによって、仕事に対する満足度も大きく変わります。

 工場での仕事の単調さに不満を抱いている場合は、不満の原因を詳しく掘り下げてみることをお勧めします。他業界に転職すればその不満が解消されるのかもじっくり考えてみるとよいでしょう。

人が働いているときに休める

 2位の「体力的にツライ」も、よくある不満です。検品のために終日立ち仕事、組み立てで体を動かすなど、業務に体力がついていかないという人は年齢に関係なくいます。現在は問題ないが将来を考えると不安があるという人もいるでしょう。

 これと関係が深いのが、3位に入った「労働時間への不満」です。夜勤がつらい、勤務時間が不規則でしんどい、朝が早いなどの声が上がっています。特に製造ラインは、売り上げや仕入れの状況によってシフトが変わることがあります。昼勤務のはずが2交代、3交代制で夜勤を求められることもあり、そうした突然の変更を受け入れがたい人もいます。

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