筆者はライフワークとして、社会人や学生の働き方・就職の相談に乗っています。年間で50人ほどの話を聞いていますが、最も多いのが職場の人間関係を理由にした転職相談です。

 多くの場合、「キャリアアップ、自分の能力開発のために転職したい」と相談を持ちかけられます。しかし実際にお目にかかって話を聞いていくうちに、本当の転職理由は職場の人間関係にある、と分かることが少なくありません。

 さらに特徴的なのが、部内や取引先の特定の1人とうまくいかないケースが多いことです。会社全体が嫌いなわけでも職場になじめないわけでもなく、目の前にいる1人とどうしても合わずに会社自体を辞めたくなった、という相談が後を絶たないのです。

「好き嫌いを持ち込むな」と言われても

 こうした状態に陥った人に「たった1人のために退職するなんてもったいない」と話すのは簡単ですが、それでは本人の問題は解決されません。「嫌な人」と顔を合わせるのは、当事者にとっては本当に苦痛なことなのです。

 たいていの場合、「嫌な人」は、上司、先輩、取引先のうちのどれかです。1年に数度しか会わない相手ならそのときだけ我慢すれば済みますが、毎日のように顔を合わせる場合はそうはいきません。

 こうした苦痛を訴えると、「どんな人でも良いところはある、それを見つけなさい」「仕事に好き嫌いを持ち込んではいけない」「細かいことを気にしすぎじゃないか」といったお説教をされがちです。普段は「職場は人生の多くの時間を過ごす場所だから」などと言うくせに、こういうときだけ「平日の8時間くらい我慢したら」と言う人もいます。

 揚げ句の果てに「いつか分かり合える」などと諭されることもありますが、逆効果です。多くの人は、社会人としての礼節をわきまえたうえで、「職場だから好き嫌いは言わないようにしよう」と考えています。それでも嫌いという感情が抑えられないのですから、そんなに簡単に分かり合えるものではないのです。

 とはいえ、たった1人のために会社を辞めるのはお勧めできません。ではどうすればよいのでしょうか。

テレワークならではのストレスも

 まずできるのは「なるべく会わないようにする」ことです。最も簡単な方法ですが、できていない人が意外に多くいます。相手の存在をいかに我慢するかで頭がいっぱいで、相手から離れることに意識が向いていないのかもしれません。

 職場にもよりますが、工夫次第で相手との接触は減らせます。相手のスケジュールを確認して、相手が在席中はミーティングを入れる、離席中はデスクワークをするなど試してみましょう。

 わざわざ嫌いな相手と同じ時間に、同じ場所で昼食を取っている人もいます。筆者からすると理解に苦しみます。昼の休憩時間くらい1人で気楽に過ごせば、少しはストレス解消になると思います。

 席替えを提案するのもよいでしょう。「あの人と離れたいから」ではなく、職場活性化やクリーンデスクの徹底、メンバーの交流の促進など、席替えによるメリットをしっかり伝えることが必要です。

 テレワークを実践している職場の場合、相手との接触はより避けやすいでしょう。ただし、テレワークだから安心というわけでもありません。かえって、対面しているときよりもストレスが大きくなるケースがあります。

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