「いくら英語が話せても、仕事ができなければ仕方ない」「英語ができなくても、仕事ができれば大丈夫」。会社員時代の筆者は英語についてこう考えていました。同じような方も少なからずいらっしゃるでしょう。しかし時代とともに状況も変わってきたようです。

 転職情報サイトを運営するヒューマングローバルタレント(東京・新宿)は2022年1月31日、英語力が年収に与える影響に関する調査結果を発表しました。同社サービスの登録者で企業からスカウトを受けた人を対象に、その英語力と年収を調べたものです。これらを、国税庁が実施する「令和2年分 民間給与実態統計調査」の平均給与と比較しています。

英語力別の年収と、国税庁による「令和2年分 民間給与実態統計調査」の平均給与との比較
英語力別の年収と、国税庁による「令和2年分 民間給与実態統計調査」の平均給与との比較
(出所:ヒューマングローバルタレント)
[画像のクリックで拡大表示]

 20代では英語力の有無は年収にそれほど影響を与えていないものの、年齢が上がるにつれて、英語力が高い人ほど年収も高いという傾向が見られています。ビジネス会話レベル以上の英語力を持つ50代では、国税庁調査の平均給与と比較すると男性で1.3倍、女性では1.6倍となっています。

 単純にTOEICなどの点数を上げれば年収が上がるわけではないでしょう。ただ、英語が必要な場面が多い職場で働いており、英語を使いつつ自分の専門領域で仕事を進められる、異なる言語を話す人たちで構成されたチームをマネジメントできる、といった能力があると考えれば、年収が高いのも納得できます。

電機分野は、語学力による年収差が大きい

 同調査でもう1つ注目したいのが、職種別の調査結果です。英語力の違いによる年収差が大きい業界として、「エグゼクティブ/経営」と並んでトップだったのが「電機(電気/電子/半導体)」でした。日常会話レベル以下か、ビジネス会話レベル以上かで、年収は1.8倍の差があったそうです。

 調査結果では「国をまたいだ電機・電子部品の開発プロジェクトの進行や、生産設備の管理など、英語力+特殊な知識を活かすことにより、高年収を望むことができると考えられる」と分析しています。さらりと述べられていますが、この中には技術者として高収入を得るための重要なスキルが含まれています。

 まず、国をまたいだプロジェクトのマネジメント力。専門知識や技術、経験。さらにチームをまとめる語学力。いずれも、かなり難易度が高いものです。

 ある程度経験を積めば技術者としての業務遂行は可能になるでしょうが、チームをまとめるマネジメント力はまた別のスキルです。さらに専門知識をブラッシュアップし、英語で文化、価値観の違うチームをまとめる力となれば、それぞれに高いレベルが要求されます。それ相応の報酬が支払われるのは当然でしょう。もしかしたら1.8倍では足りないかもしれません。

この先は日経クロステック Active会員の登録が必要です

日経クロステック Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。