新型コロナウイルス感染防止対策のための行動制限が徐々に緩やかになり、経済活動も少しずつ自由になってきました。テレワークから解放される人も出て、筆者の周りでもこれからどうやって働いていくかという話題が増えてきました。

 VUCA(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性、ブーカ)という言葉もありますが、将来を見据えることが難しい時代にどう対応していくかは重大なテーマです。キーワードとなるのは「学び」だと筆者は考えています。

リスキリングは「仕事が変わる人」だけのものではない

 学びに関して最近よく見る言葉に「リスキリング」があります。初めて目にしたときは「リス/キリング」と区切ってしまい、ずいぶん物騒な言葉だなあと感じたものですが、今ではかなり浸透してきました。

 リスキリングは「学び直し」などと訳され、新しい仕事に就くなど業務内容の変化に伴って必要とされるスキルを習得することを指します。現在のところ、特にIT業界で必要性が叫ばれているように感じます。

 このためIT以外の仕事をしている人は「自分には関係ない」と思っているケースも多いのですが、実はそういう人こそ意識していただきたい言葉です。リスキリングで身に付けるのがITスキルなら、現状ITスキルを持っていない人が対象となるからです。

 リスキリングは、転職や異動によって仕事自体が変わる人のものだと思っている人もいますが、これも正しいとはいえません。同じ仕事でも、必要とされるスキルは急速に変わっています。同じ部署で働き続けるのにも、リスキリングが求められるケースがあります。

 一方、自社の生き残りのために自分が携わっていた事業が売却されたり、担当製品の取り扱いがなくなってしまったりといったこともあります。こうした人は、新しい仕事に就くためというより、辞めずに生き残るためにリスキリングが求められます。

 所属企業の事業環境の変化によって、これまでの自分の経験や積み上げてきたものを全て捨てて学び、すぐに成果を出す――。そう考えると、少し恐ろしくも感じます。「リスキリング」を、「RE(再び)」「SKILL(スキル)」「ING(進行形で身に付ける)」と捉え、並行して成果を出すことも求められているとすると、かなりハードルが高いことです。そうまでしなければ、今のポジションが維持できない時代になってきたということかもしれません。

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