「DX推進の重要性について話してきましたが、反対意見が出ることもあります。その場合、どう対応策を考ればいいでしょうか」──。これは大日本住友製薬が2021年8月に始めたデジタル研修の一場面だ。

 同社がこの研修の対象にしているのは約3000人の全社員である。全社員を対象にした理由について大日本住友製薬の菅原秀和データデザイン室主席部員は「製薬業界の変化が激しく、どの階層でもデジタル技術を使いこなすことが欠かせなくなってきている」と説明する。

 同社は2017年に情報システム部門をコーポレートIT統括部からIT&デジタル革新推進部に変更するなど、DXに積極的な姿勢を見せている。特に2019年12月、デジタルを使った新薬開発に強みを持つ欧州スタートアップのロイバント・サイエンシズと提携したのをきっかけに、デジタル関連の部署を複数新設した。それらの新設部署で、高度なデータ分析の結果に基づいた新薬の事業性評価や営業活動を進めている。

 大日本住友製薬においてデジタル技術によって業務が変わる象徴的な存在が、MR(医薬情報担当者)と呼ばれる職種だ。医師と直接面会して医薬品の情報を提供し、患者の治療時に自社の医薬品を選択してもらいやすくする業務を担う。新型コロナウイルスの影響で2020年春ごろから医師との面会が難しくなっており、いち早く対面とオンライン面会の両方を使い分けるように切り替えた。

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