ツールの進化で、ノーコード/ローコード開発自体のハードルは下がりつつある。一方で現場が「使える」システムをつくるには工夫が欠かせない。成功のポイントは業務部門を巻き込んだ一体開発だ。

三菱食品
業務部門の選抜メンバーが開発

 「出張先など社外でも書類申請や決裁ができる。働き方改革とペーパーレスを大いに進められた」。食品卸最大手、三菱食品で情報システム本部営業・会計システムユニットに務める友貞篤人氏は、ノーコード/ローコードツールを活用した意義をこう語る。同社はNTTデータ イントラマートの「intra-mart」を使い、契約書の内容確認依頼や通勤手当の申請書といった業務ワークフローの電子化を進めている。アプリを開発したのは業務部門だ。

三菱食品のローコード開発ツール運用体制
三菱食品のローコード開発ツール運用体制
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 全国の食品メーカーや小売店、飲食店を取引先とする三菱食品は、拠点間での書類のやりとりや承認者の出張などにより「承認プロセスに1~2週間かかることがあった」(友貞氏)。承認プロセスを電子化し、書類データをスマートフォンなどでやり取りして申請・承認できるようにしたため、承認にかかる期間は半分~3分の2程度に減ったという。従来は紙の社内書類が204種類存在したが、2019年7月から2021年10月までで62種類の書類を電子化。毎月1万5800枚の紙を減らした。

開発は業務部門、IT部門は管理役

 業務ワークフローの電子化はノーコード/ローコードツールによる定番の業務改善手法だ。三菱食品はより早く大きな効果を生み出すため、運用体制に工夫を凝らした。intra-martの導入に当たり、同社の情報システム本部は経理グループや人事グループなどおよそ10ある現場業務部門から1~2人ずつ社員を集め、「分科会」を設けた。この分科会メンバーがアプリ開発を担い、情報システム本部はシステムベンダーの支援を受けつつ分科会のアプリ開発の技術支援に回った。

 書類を所管する業務部門が自らアプリを開発することで、記入項目の位置関係、プルダウンメニューか自由記述かといったデータ記入方法など「使いやすさを左右する仕様をシステムへスムーズに落とし込めた」(友貞氏)。

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