DXに取り組む企業が加速度的に増える中、産業界で需要が高まっているのはどのようなIT人材か。恒例の年収調査から、いまIT人材に求められているスキルを探る。

 全国スキル調査では、IT人材の役割(ロール)について「システムアーキテクト」「データサイエンティスト」など14種類を定義している。共通の質問を回答者に答えてもらい、14のロールに関するスキルを4.9点満点で判定した。1.0未満は未経験レベル、1.0~1.9は最低限の基礎知識を持つレベル、2.0~2.9は指導の下で要求された作業を担当できるレベル、3.0~3.9は要求された作業を全て独力で遂行できるレベル、4.0~4.9は自らのスキルを活用し独力で業務上の課題発見・解決をリードするレベルだ。併せて回答者には「現在の担当業務」も回答してもらい、担当業務別に各ロールの平均スキル、平均年齢、平均年収を算出した。

平均年収は再び上昇傾向も、高スキル人材の年収増は一服か
平均年収は再び上昇傾向も、高スキル人材の年収増は一服か
表 ロール(役割)別に見たITエンジニアの平均スキルと年齢・年収(出所:ITスキル研究フォーラム)
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 2020年の調査では、それまで毎年上がっていた平均年収が下落に転じた。一方、今回は全体の平均年収が550万円と、前回調査の531万円から再び上昇。業務別では、人数の多い「プロジェクトマネジメント」「システム構築」「製品/サービスの運用・保守」などの年収増が寄与した。

 2020年の調査では先端技術に関わる高スキル人材の年収に上昇傾向がみられた。2021年調査でも先端技術の平均年収は799万円と、前回の765万円から上昇。内訳ではデータサイエンスや人工知能(AI)の人材の年収は上昇したが、それ以外の高スキル人材の年収は微減となった。

 経済産業省のワーキンググループが公表しているDXの定義では「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」となっている。ポイントはデータとデジタル技術を並べて挙げている点だ。競争上の優位性を確立するうえでデータ活用やAIなどは重要であるとしている。

 しかし後述の調査結果から、ビジネスチャットの活用などデジタル化は進む一方、データやAIを活用したDXによる価値創造は進んでいないようだ。

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