Web3の具体的なサービスには「DAO」「DeFi」「NFT」などがある。これらは、従来のインターネットには存在しなかったサービスであり、概念そのものの理解が難しく、実現する仕組みも複雑だ。そこで特集第2回では、こうしたWeb3のサービスを解説していく。具体的には「暗号資産とWeb3の関係は?」「今の企業の形はWeb3では無くなるの?」「Web3の金融サービスが市場規模10兆円って本当?」「NFTは結局、一過性のブームだったの?」の4つの疑問を取り上げる。

【疑問4】暗号資産とWeb3の関係は?

【答え4】暗号資産のために開発されたブロックチェーンが、汎用的なソフトウエアの実行基盤としてWeb3に生かされている。

 ブロックチェーンはもともと、インターネットで流通するデジタル通貨「ビットコイン(Bitcoin)」を実現するために生まれた。分散台帳であるブロックチェーンにすべての取引履歴を記録し、それを参加者全員で共有する。情報を分散して持つため、障害に強いという特徴を持つ。また、一度記録されたデータは改ざんが極めて難しい。

 現在、ビットコインは代表的な暗号資産(仮想通貨)として時価総額1位の位置にいる。時価総額2位の暗号資産が「イーサリアム(Ethereum、通貨の名称としてはイーサ)」だ。イーサリアムもビットコインと同様にブロックチェーンを利用している。

 ビットコインとイーサリアムは共に代表的な暗号資産だが、システムの性格はかなり異なる。ビットコインは暗号資産に特化しているのに対し、イーサリアムは開発者が書いたプログラムを自由に動かせる。イーサリアムの開発を支援するイーサリアム財団(Ethereum Foundation)のトップである宮口あやエグゼクティブディレクターは、イーサリアムを「いわば巨大なコンピューター」と表現する。

 イーサリアムで動作するプログラムは「スマートコントラクト」と呼ばれる。イーサリアムのスマートコントラクトは、「Solidity(ソリディティー)」という専用のプログラミング言語で記述する。スマートコントラクトとして実装されたアプリケーションを「分散型アプリケーション(dApps)」と呼ぶ。

 Web3の各サービスは、ほぼすべてがイーサリアムから生まれている。ただし、現在のイーサリアムはいくつか大きな問題を抱えている。まず、大量に発生する取引に処理性能が追いついていない。また、「ガス代」と呼ばれる取引手数料の高さも課題だ。1回の取引にかかるガス代は、2021年には数千円にまで高騰した。現在は数百円程度に落ち着いているが、それでも少額の取引ではガス代のほうが高くなってしまう。ビットコインと同様に、大量の演算処理に伴って発生する膨大な電力消費の環境負荷も問題視されている。

 そこでイーサリアムを代替するブロックチェーンの模索が続いている。例えば、イーサリアムと連係して動作するが処理速度や手数料の問題が少ない「サイドチェーン」や「レイヤー2」といったブロックチェーンの実装が脚光を浴び、一部は実際に利用されている。スマートコントラクトをプログラミング言語「Rust(ラスト)」で開発できる「ソラナ(Solana)」というブロックチェーンも注目されている。

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