「IBM PowerSystem AC922」でAIによる医用画像解析の研究

ジグザがネットワールドのAIセンターで実施

ハイスペックPCと比較して約20〜40倍の処理性能で実務レベルでも使用できる高精度なレントゲン画像解析を研究

 

 ITインフラのソリューション・ディストリビューターである株式会社ネットワールド(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 森田 晶一)は、検証施設「PIC(Pre Integration Center)」内に常設している「Networld AIセンター」の「IBM PowerSystem AC922」(以下 PowerSystem AC922)を解析処理インフラとして、パートナーであるジグザ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役 櫛田 和洋)が、AIによる医用画像解析の研究を長崎大学病院と共同で実施し、実用化に向けて大きな成果が得られたことを発表します。

 今回の研究は、手術後に患者体内に止血用ガーゼなどの異物が残存していないかを確実に確認できるよう、画像解析技術とディープラーニング技術を用いたレントゲン画像による異物検知の実用性評価を目的として実施され、研究に参加した長崎大学病院から、今後の研究次第では実務でも使用できる可能性があると評価されました。

 画像解析では画像のサイズや明度、白黒反転、エッジ検出などを行い、またディープラーニングでは、バッチサイズや学習階層などのパラメータを変更しながら、最も高い認識精度が得られる組み合わせを探っていきました。その結果「PowerSystem AC922」は、このような大量データの高速処理を短時間で処理することができました。

 「Networld AIセンター」は、AI、ビッグデータ、ディープラーニングにおけるデモ環境、PoC環境を提供するために、「PowerSystem AC922」(Newell:IBM POWER9 + NVIDIA V100x4搭載)と「IBM Power System S822LC for HPC」(Minsky:IBM POWER8 + NVIDIA P100x4搭載)の検証環境を常設しており、ネットワールドのパートナーは無償で使用することができます。ネットワールドは、今後も先進的なシステムの構築、検証を行うパートナー各社を積極的に支援してまいります。

■研究の背景と選定のポイント

 病院ではレントゲンやCT / MRIなど様々な画像診断装置が用いられ、放射線医師などの専門家がこれらの医用画像の読影を行うのが一般的ですが、大量の画像チェックは医師に大きな負担がかかる上に、見落としなどのリスクも懸念されます。そこで、AIを活用した新規事業開発などを手掛け、画像解析や文章解析で実績のあるジグザは、医師の負担を減らしつつ、高精度で効率の良い診断が行えるよう、長崎大学病院と共同で、AIによる医用画像解析の研究を行うことになりました。

 手術の際に患者の体内に入れた止血用ガーゼなどの異物は手術後にすべて取り出し、医師がレントゲン画像をチェックして異物の残存がないかどうかを確認します。しかし、長時間の手術後には医師も相当疲労しており、また、血管とガーゼが見極めにくくなっていることもあるため、異物の残存を見落とすリスクが100%ゼロであるとは言い切れません。長崎大学病院では、万全なチェックのために画像解析やディープラーニングを活用することに注目しており、今回の研究では、レントゲン画像内の異物検知にこれらの技術がどれだけ有効であるか確認することを目的としました。

■インフラ選定のポイント

 研究では、まず教師データとなる1,500枚の学習用サンプル画像を用意。画像解析では画像のサイズや明度、白黒反転、エッジ検出を行い、また、ディープラーニングではバッチサイズや学習階層などのパラメータを変更しながら、最も高い認識精度が得られる組み合わせを探っていきました。

 画像解析やディープラーニング向けの環境を、一般的なx86サーバーなどで構築することも可能ですが、大量データの高速処理では、プロセッサーの処理能力の他、ディープラーニングで使われるGPUとCPU間のデータ転送帯域がボトルネックになったり、メモリ不足によって処理が追いつかないなどの問題が発生します。

 これに対して、今回の研究のインフラとして選定した「PowerSystem AC922」は、従来比約2倍の処理性能を誇る最新の「POWER9」プロセッサーを搭載し、ディープラーニングで使われるGPUとCPU間を150GB/秒の広帯域を誇るNVLink2.0で接続するため、x86サーバー比で最大5.6倍の高速データ転送を行うことができます。また、Watson Machine Learning Community Edition の Large Model Support などの機能を用いて、システムメモリとGPUメモリを効率的に連動させることができ、十分なメモリ容量を確保できます。さらに、Dockerコンテナ環境との親和性も高く、様々なアプリケーション実行環境を柔軟に構築できる点も大きなメリットであると評価されました。

■研究環境の評価と研究成果

 今回の研究は、大きな成果を出しており、研究に参加した長崎大学病院からは、今後研究を重ねていけば実務でも使用できる可能性があると評価されています。今後、教師データを追加すればさらに精度を上げることも可能であると期待されており、今後のより安心・安全な医療の実現に向けて大きな意義を持つものであるといえます。

 インフラに関しては、ハイスペックPCとの比較も行いましたが、「PowerSystem ACC922」の方が約20〜40倍も高速でした。短時間で処理が終えることができれば、画像をどれくらいのサイズに分割するか、パラメータの組み合わせをどうするかといった試行錯誤を何度も繰り返すことが可能です。

 AI技術は、製造業、流通業や金融業など、あらゆる産業分野で活用が進んでいますが、特に有望視されている活用領域の一つが医療であり、今回の研究は、より安心・安全な医療の実現に向けて大きな意義を持つものといえます。

■研究のシステム構成図

 *添付の関連資料を参照

■「Networld AIセンター」について

 「Networld AIセンター」は、「プリ・インテグレーションセンター(PIC)」内にあり、ネットワールドのパートナー各社、ネットワールドからご購入いただいたお客様が無料で利用できます。

 PIC内には、「Networld AIセンター」の他に、出荷前にシステムの物理検証する「検証環境」、「働き方改革ブリーフィングセンター」などがあります。

 >詳細はこちら

  https://www.networld.co.jp/support/pic/#new04

■ジグザ株式会社について

 ・本社:東京都千代田区飯田橋3-7-12

 ・事業内容:AI・IoTなどのITテクノロジーを活用した新規事業開発、業務改革の実現。IT技術を事業に活用するためのコンサルティングなど

 >URL:https://www.ziggxa.jpn.com/

■株式会社ネットワールドについて

 株式会社ネットワールドは、ITインフラストラクチャーのソリューション ディストリビューターとして、クラウド コンピューティング時代の企業IT基盤を変革する技術製品と関連サービスを提供しています。サーバー、ストレージやネットワーク、そしてアプリケーションやデスクトップの仮想化に早期から取り組み、次世代のITインフラストラクチャーのあるべき姿をリードしています。

 > https://www.networld.co.jp/

 ○本事例の詳細

  ・事例紹介ページ

   https://www.networld.co.jp/casestudy/2020/ibm-hardware_ziggxa/

 ※記載されているロゴ、会社名、製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。

 ※プレスリリースに掲載されている情報は発表日現在の情報です。発表後予告なしに変更されることがございますのであらかじめご了承ください。

 

 

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

研究のシステム構成図

https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0529786_01.jpg