システム化を見送った業務群は誰が面倒を見るべきか

 現場からのシステム化のニーズに応え、業務の効率化やコスト削減、ミスの低減などを実現していくのは、いうまでもなく情報システム部門のミッションである。だが、すべてのシステム化ニーズに応えられるかといえば、決して「イエス」とは言えないはずだ。IT投資や情報システム部門の人員には当然ながら限りがある。そのため、システム化の対象とする業務には、どうしても優先順位をつけなければならないのが現実だろう。

 では、システム化を見送った業務群は、そのままでよいのかと問われれば、こちらも決して胸を張って「イエス」とは言えないのではないだろうか。実際、現場は、その業務負荷に困っているわけであり、なにより、システム化を見送った業務の一つひとつは、それほど大きな問題ではなくとも、すべての業務を集めると看過できない大きなムダやコスト、リスクとなる。

 特にシステム化が見送られがちなのが、問い合わせ管理、顧客管理、案件管理、契約管理、報告書・見積書作成など、現状、Excelをベースに運用されている業務群だ。Excelでカバーできていることが、ついこれらの業務への投資を後回しにしがちだが、メールでのファイルの受け渡し、最新ファイルの管理など、運用は人手に頼っており、ムダや潜在的なミスも多く、本来はシステム化することが望ましい。

 IT投資や人員の問題をクリアしつつ、社内にある多種多様な業務をまとめてシステム化する。非常に難しいテーマだが、1つ考えられるとすれば、情報システム部門は環境だけを整備して提供し、ユーザー部門にシステム化を任せる「セルフサービス化」というアプローチである。実は、同様のアプローチで、現場業務の「ムダ取り」を地道かつ確実に実践し、多大な成果に結びつけている企業も多い。

 次ページからは、その具体的な方策について見ていく。

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