パシフィックコンサルタンツは、多くの比較検討や修正が求められる土木設計業務の生産性を高めるため、ダッソー・システムズの3DEXPERIENCE CATIAを導入した。構造物の主要な数値を入力するだけでBIM/CIMモデルが作成できる「パラメトリックモデル」を橋梁や砂防堰堤の設計業務に使ったところ、多くの比較検討案を短時間で作れるようになった。今後、対応する構造物を増やし、さらなる土木設計の生産性改革を図っていく方針だ。

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CATIAで作成したパラメトリックモデルによって砂防堰堤の比較検討を行った例。本堤の高さを変更すると副堤や水叩きの長さ、側壁護岸の大きさも自動的に変わる

「3日かかった作業が3秒に短縮」

 「土木設計業務にCATIAのナレッジテンプレートを活用したパラメトリックモデルを導入したところ、構造物の仕様や位置などを変えながら行う比較検討が、とてもスピーディーに行えるようになりました」と語るのは、パシフィックコンサルタンツ 事業強化推進部 i-Construction推進センター 技術部長の伊東靖氏だ。

パシフィックコンサルタンツ
事業強化推進部 i-Construction推進センター 技術部長
伊東靖氏

 土木構造物は建設される場所ごとに、地形や地質の違いによって設計に微妙な違いがあり、それぞれが現場で単品生産される。そのため、2つとして同じものはないと言っても過言ではない。

 橋梁の設計段階では最初に10案、20案といった多くの案を出し、構造特性、施工性、経済性、維持管理、環境との整合など総合的な検討をしながら3案、そして最終案へと絞り込んで行く。

 「その過程では、荷重などの設計条件や建設場所の変更なども頻繁にあります。微修正を行うときでも、場合によっては一から図面を書き直さなければいけないこともあります」(伊東氏)。

 比較設計や設計変更に伴う設計作業を軽減するため、パシフィックコンサルタンツは2019年10月にダッソー・システムズと提携し、BIM/CIMのプラットフォームである3DEXPERIENCEの設計アプリケーションCATIAを本格導入した。その決め手の1つは、土木構造物のBIM/CIMモデルの大きさをパラメーターで表現する「パラメトリックモデル」が使えることだ。

 「設計条件が変わっても、構造物の主要な寸法や仕様を入力するだけで、付随する部分の設計はCATIAが自動的に行ってくれるので、以前なら鉄筋1本から描き直す必要があった仕事も、パラメーターを変えてCATIAを動かすだけです。3日かかった作業が、3秒で済んでしまうこともあります」と伊東氏は語る。

砂防堰堤の堤高と堆砂量が連動

 「3日かかった作業が3秒で済む」とは、いったい、どんな感覚なのだろうか。例えば、砂防堰堤の設計作業が、CATIAの導入でどう変わったのかを見てみよう。

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