複数の客先やオフィスを移動するワークスタイルが広がる中で、従業員のPCがセキュリティ上の新たな脅威となっている。ネットワーク間を移動するPCは、攻撃者のターゲットになりやすいからだ。

 また、会社で使用するあらゆるPCのOSやアプリケーションを確実にアップデートし、常に最新の状態で維持することは、セキュリティの大前提となる。しかし、PCによって機種や環境が異なると、アップデートの条件や方法も変わってくる。これが数百台、数千台となれば、PC管理者の負担は大きい。

 こうしたPC管理の諸問題を解決するため、近年、シンクライアントを導入する企業が増えている。シンクライアントでは、PC本体とOS、アプリケーションはすべてサーバー上で稼働させ、従業員の端末にはデスクトップ画面のデータしか送らない。従業員は手元の端末を使ってサーバー上のマシンを操作するだけなので、重要なデータのやり取りはなく、端末には一切のデータを残さない。また、全PCをサーバー上で一元管理できるため、管理者の負担は格段に軽くなる。

 東海労働金庫の事例は、まさにその好例だ。今年2月にシンクライアントの基盤を完成させ、4月から実稼働に入った。大きなトラブルもなく、4カ月間で39の拠点を含む全職員の約8割の移行に成功している。

 成功した要因の1つは、特定のベンダーに偏らず、様々な製品の中から自社に合うものを選択してシステムを構築できたことだ。マルチベンダーでシンクライアントの経験が豊富な兼松エレクトロニクスをパートナーに選び、NetApp AFF/FASシリーズの特性をうまく活かした。

 次ページ以降で、東海労働金庫が経験したシンクライアント構築の実際とシステム構成、成功の要因などについて解説する。

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