ボトムアップ型の導入により、見えない“野良ユーザー”が増加
コロナ禍によってすっかり定着したテレワーク。他者とオフィスで直接会う機会が激減している現在、顔を見て会話できる「リモート会議ツール」の存在は、円滑なコミュニケーションを維持するために不可欠といえるだろう。
一方、この状況が長引くにつれ、ある問題に頭を悩ませる企業経営者が増えている。それが、活用のガバナンスをどう効かせるかという問題である。
クラウド型で提供されるリモート会議ツールの多くは、導入が非常に簡単、かつコストも抑えられるものが多い。そのため、導入がボトムアップ型で進むのが通例だが、これによって組織全体の活用状況を把握することが困難になっているのだ。
もちろん、組織の標準リモート会議ツールを定め、それ以外のツールの使用を禁止している企業は多い。だが、リモート会議ツールの中には、コンシューマー向けに無料版が提供されているツールもある。それを社員がどう活用するかは組織が関与できない部分であり、多くの企業が見て見ぬふりをせざるを得ない状況になっているのが現状だ。
だが実は、野良ユーザーが既にたくさんいるからこそ、自社のセキュリティポリシーに準じたアカウント(テナント)を用意し、そこにユーザーを格納するだけで、従業員の生産性を上げつつ、極めて有効なBCP対策とすることができる事をご存知だろうか。
これまで現場任せだったリモート会議ツールの導入に、経営層はどうかかわり、どう手綱を握るべきなのか。今回は、リモート会議ツール活用時のガバナンスを高める方法を考える。