経営基盤が脆弱な中小企業こそ、BCPが必要な時代に

 ここ1~2年の間で、中小企業にとっても「事業継続」という言葉が身近な存在となった。自然災害、新型コロナウイルス、サイバー攻撃などの緊急事態が当たり前のように起こるようになったからだ。

 実際、帝国データバンクの調査によれば、事業継続が困難になると想定するリスクでは、「自然災害」(72.4%)がトップ。次いで、新型コロナウイルスなどの「感染症」(60.4%)や「設備の故障」(35.8%)が続く。また、近年はサイバー攻撃の数も増加している中、「情報セキュリティ上のリスク」(32.9%)も上位となっている。

 「大雨や台風で交通網やサプライチェーンが乱れ、部品・商品の配送が難しくなった」「緊急事態宣言で全員を出社させることができなくなってしまった」「ウイルスに感染したことで取引停止になってしまった」・・・そうした状況を身近に感じた局面も多かったのではないだろうか。

 ただし、中小企業にとってその解決は容易ではない。

 先の調査でも、事業継続計画(BCP)を「策定している」と回答した中小企業の割合は17.6%に過ぎなかった。

 なぜ中小企業にとって事業・業務継続の担保が難しいのか。理由は数々あるが、その1つは業務上、多くのアナログプロセスが残っているからだ。

 例えば、経理業務をはじめとする伝票処理や判子、稟議といった決済・承認フロー、また郵送やFAXが紙作業であることが代表例だ。その結果、一度はテレワークに踏み切るものの、結局は出社前提の体制に戻すといったケースが後を絶たない。

 中小企業の場合、取り引きの関係上、業務プロセスを見直したい、ペーパーレス化を進めたいと考えても、自社だけの判断では決められない、自社業務だけを変えても取引先に迷惑がかかってしまう、といった部分がどうしても出てきてしまっているのだ。

 また仕組みを整えようとしても、様々なハードルがある。その際たるものがコストと人だ。特に中小企業では、一部をのぞいてITの専任担当者がいない。多くが総務部、経理部などほかの業務と兼任する、いわゆる“兼任情シス”だ。

 それでは、「予算」「ITリテラシー」といった問題がある中、中小企業は今後、どう事業や業務を続けられる体制を築くことができるのか。今後取るべき方針も含めて紹介したい。

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