デジタル化が迫られる中小企業の現状

 今回のコロナ禍で一気に露呈したのが日本企業のデジタル化の遅れだ。特に中小企業では、システムの老朽化や人材不足、業務・ノウハウの属人化など多くの課題が指摘され、テレワークも進まないケースも少なくない。市場のデジタル化が加速する中、中小企業が自らの価値を高め、競争力を強化するためにはどうすればいいのか。「今こそ中小企業もDXを」と説く、中小企業診断士の竹内 幸次氏にデジタル化に向けた課題と解決策を聞いた。

DX(デジタル変革)は大企業がやるものと考えている中小企業は少なくありません。そうした中、竹内さんは日本の中小企業に対して、様々な形でデジタル活用の重要性を説いています。その理由についてお聞かせください。

竹内氏 私は中小企業診断士であり、中小企業の経営を活性化するプロです。「これは使ってもムダだ」と思ったら、一切提案はしません。私が長年にわたり「中小企業こそITだ」と言っているのは、それが有効だからです。中小企業は営業範囲が狭い。その範囲や地域の壁を乗り越えることができるのがITなのです。中小企業は人の数が少ない。会計をやりながら、営業をやりながら、社長業をやりながらと、1人が何役もやっている。その生産性向上や販路開拓には、やはりデジタルの力が有効なのです。

株式会社スプラム<br>代表取締役<br>竹内 幸次氏<br>中小企業診断士。経営コンサルタント。1986年に大手住宅資材商社に入社。1995年に経営コンサルタントとして開業。1997年にコンサルタント会社スプラムを設立。起業家・中小企業経営者などへの実践的な指導を行い、その数は全国2700社以上。中小企業を元気づける講演やテレビ、ラジオでも活躍中。コンセプトは「経営をもっと身近に、もっと確かに」。
株式会社スプラム
代表取締役
竹内 幸次氏
中小企業診断士。経営コンサルタント。1986年に大手住宅資材商社に入社。1995年に経営コンサルタントとして開業。1997年にコンサルタント会社スプラムを設立。起業家・中小企業経営者などへの実践的な指導を行い、その数は全国2700社以上。中小企業を元気づける講演やテレビ、ラジオでも活躍中。コンセプトは「経営をもっと身近に、もっと確かに」。

コロナ禍によって中小企業を取りまく環境はどのように変化したのでしょうか。また現状の中小企業における経営上の問題点と課題についてもお聞かせください。

竹内氏 中小企業庁が「中小企業白書」を公開しています。そのデータから分かるのは、2019年と2020年を比べると、4分の3の会社の売り上げが落ちていることです。経営者の多くは「需要の停滞」が問題だとおっしゃいます。業務の効率化が必要だ、IT化をしなければというより、まずコロナ禍と景気低迷による需要の停滞を一番に挙げるのです。

 そういう方々に言いたいのは、「いろいろ状況は厳しいでしょう。でも文句を言う暇があったら、自分で需要の1つでもつくりませんか」ということです。インターネットを使えば、ヒントはいくらでも転がっています。『経営 ヒント』と検索すれば、他社の経営に関するブログも読めますし、私のホームページも出てきます(笑)。

 特にお勧めしたいのが、博報堂の生活総研さんが公開している「未来年表」です。例えば「水素」と打ち込めば、何年後に水素関連でこういったことが起きますよという内容が、エビデンス情報付きで出てきます。これを読めば思考が未来に向いていきます。

 経営とは何か。私はそう聞かれると「未来から評価される活動だ」と答えます。現状の課題を踏まえ、5年後から評価される種まきを、今しなければいけない。そこでこの未来年表が役立つのです。中小企業はマインドが重要です。動くのは自分自身、経営者自身なんだ、そこで力になるのがIT/デジタルなんです、と私はアドバイスしています。

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