図書室で読んだ「経営マンガ」が原体験に

 経営環境が激変する中、未だ多くの中小企業は非効率的な業務環境と人材不足、新たな販路開拓などに頭を悩ませている。その解決策の1つとしてデジタル活用やDXが注目を集めているが、現実的にはほとんど機能していないのが現状だ。そこで、中小企業でも手の届くクラウドサービスを活用し、様々な業種のデジタル化を支援しているDXコンサルタントの井領 明広氏に、デジタル化に向けた課題と具体的な解決策を聞いた。

つづく株式会社<br>代表取締役<br>富山県庁/DX・働き方改革推進 副補佐官<br>井領 明広氏<br>早稲田大学商学部卒。広島県出身。NTTデータ イントラマート、freee株式会社を経て、現在は中小企業が「100年つづく」を当たり前にするために、経営のテクノロジー化・デジタル化支援を行う「つづく株式会社」を経営。長野県を中心に製造業、農業など様々な中小企業のバックオフィスの「自動化」を実現することをミッションとしている。
つづく株式会社
代表取締役
富山県庁/DX・働き方改革推進 副補佐官
井領 明広氏
早稲田大学商学部卒。広島県出身。NTTデータ イントラマート、freee株式会社を経て、現在は中小企業が「100年つづく」を当たり前にするために、経営のテクノロジー化・デジタル化支援を行う「つづく株式会社」を経営。長野県を中心に製造業、農業など様々な中小企業のバックオフィスの「自動化」を実現することをミッションとしている。

最初に、井領さんが中小企業の経営に興味を持ったきっかけについて教えてください。

井領氏 私は広島県の小さなまちの生まれです。高速道路や鉄道も通っていない限界集落で、子供のころから遊ぶところが周りに1つもありませんでした。唯一入り浸っていたのが学校の図書室です。活字が嫌いだったので漫画ばかり読んでいたのですが、学校には手塚治虫の「火の鳥」と「プロジェクトX」の漫画版、2つしかない(笑)。仕方なくそれらをローテーションで読んでいたら、“カップヌードル誕生秘話”みたいなものがインプットされて「経営者ってかっこいいな」と興味を持ったわけです。周りの大人たちも、農家以外は中小企業で働くか個人事業の二択しかありませんでした。その原体験があったので、大学に入ってからも過疎化する地域の活性化や中小企業に思い入れがあり、それが今の仕事につながっている気がします。

そこから中小企業のITコンサルティングの仕事へとつながっていたったのですね。

井領氏 デジタル活用し急成長していく様々な経営の歴史、戦略を見て、これからはデジタル、データの時代だと感じました。企業経営をサポートするには、まずデジタルの知識を身につけた方がいいのではないかと、大学卒業後は大手IT企業に入りました。その後、中小企業向けのクラウドサービスが提供される時代を目の当たりにして、クラウド会計ソフトのfreeeに転職しました。それから地方でのデジタル化を進めたいと思い、かねてから愛着のあった長野県に移住し、中小企業の「商売が100年つづく」を当たり前にするために、中小企業をITで支援する「つづく」を立ち上げたのが、これまでの経緯となります。

現在、中小企業に対して、どのような支援活動をされているのでしょうか。

井領氏 私のミッションは、「デジタルで地方経済に風穴を開けること」にあります。そこで中小企業を支援したいと考えている自治体や地方銀行、商工会議所など、風穴を開けた後に“風を吹かし続けてくれる”人たちと一緒に、中小企業や非IT企業の相談に乗り、業務改革やIT導入をアドバイスする仕事をしています。レタス農家、都市ガス、建設・土建、味噌屋、スーパーマーケットのように、お客様の業種も様々。簡単にいえば、中小企業のITかかりつけ医のようなものです。

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