OEMが競争優位性を獲得するための重要なカギになる

 サプライチェーンの目詰まりや原材料費の高騰、急拡大するサイバー攻撃など、製造業を取り巻く環境は一段と厳しさを増している。一方で競争力を高めるDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進は至上命題であり、自社の製品・サービスのデジタル化は不可欠だ。当然、ものづくりの現場にはDX時代に顧客価値を創造する変革が強く求められている。

 しかし、長い経験や歴史を持つ企業にとってデジタル化に向けた変革はそう簡単ではない。特に自社製品・サービスへの最新IT機器の組み込みは専門知識やスキルを求められる一方、それらを安易に「丸投げ」できないのも事実である。高いレベルでDXを実現するなら「餅は餅屋」といった発想をベースに自社の価値を最大化する新たなパートナー戦略、すなわちオープンイノベーションの実践が必要となる。

 そこで注目したいのがOEM提供によってIT機器の提供を受け、それを自社製品・サービスに組み込むアプローチである。背景にあるのはグローバルで激化する市場競争だ。市場への製品投入における「Time to Market」の短縮は競合との差別化要因になる。同時に、急速に進化する最新のデジタル技術をタイムリーに取り込む上でも“餅は餅屋”というアプローチのメリットは大きい。

 ではこのOEMをどのように利用しながら自社製品・サービスにIT機器を組み込んでいけばよいのか。次ページからは日本ヒューレット・パッカード(以下、HPE)が提供する代表的なOEMソリューションを取り上げ、製造業におけるDX時代の製品開発やパートナー戦略、先行事例などについて探っていく。