「エッジコンピューティング」と「多拠点化」がIoT活用のキーワードに

 製造業を中心に活用が拡大しているIoT。当初はセンサーでデータを取得・収集し、それをクラウドなどで分析することで、新たな知見を得ることが最重要課題だった。また実証実験(PoC)的な導入が多く、導入拠点が限られていたケースも多い。

 しかし最近では、状況が大きく変わりつつある。情報収集やPoCの段階を超え、次のフェーズに向かって進みつつある企業が増えているのだ。具体的には、新たに2つのトレンドが生まれつつある。

 1つは「エッジコンピューティング」だ。センサーで取得・収集したデータをクラウドに送って分析・処理するだけではなく、エッジ、つまり現場側でも活用したいというニーズが高まっている。例えば、AIで作成した学習モデルを製造現場に置き、そこで処理を行った上で製造機器の制御にフィードバックするといった取り組みはその1つだ。

 もう1つはIoT活用の横展開に向けた「多拠点化」である。1工場の1ラインにおける実証実験レベルの活用から、1工場・複数ラインへの展開、国内複数工場への展開、さらにはグローバルな展開も見据えた取り組みも始まりつつある。

 しかしこの2つのトレンドによって、新たな課題も顕在化しつつある。まずエッジでAIの学習モデルなどを動かすには、エッジ側にも大きな処理能力が必要になる。従来のエッジゲートウエイ(※)はデータの収集・送信に特化していたため、それだけの処理能力を備えていないケースが一般的だ。

※様々なセンサーからのデータをまとめて1ヶ所で収集・送信する端末のこと

 エッジ側に高い処理能力を持たせた場合には、セキュリティへの配慮もより重要になる。より幅広いアプリケーションを動かせるということは、マルウエアが紛れ込む危険性も高まるからだ。

 そしてグローバル展開を見据えた場合には、それぞれの国や地域のレギュレーションや、通信環境への対応も欠かせない。機微情報の扱いに関する法令やルールに準拠するのはもちろんのこと、そのエリアで使える通信手段が何かを事前に調査し、それに合った機器を設置しなければならない。

 これらの課題によって、新たな活用段階への第一歩をうまく踏み出せていない企業も少なくない。こうしたハードルを乗り越えていくにはどうすればいいのか。

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