デジタルやAI(人工知能)の技術領域において、日本の国際競争力の低下が懸念されている。実際、現在のイノベーションをリードしているのはGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)に代表される米国企業や圧倒的な資金力とユーザーを持つ中国企業だ。そうした強敵に囲まれた日本企業は今後、どのように戦っていくべきか。東芝のコーポレート デジタイゼーションCTO(最高技術責任者)でありデジタルイノベーションセンター長を務める山本宏氏と、日本IBMのデータサイエンティスト・プロフェッションリーダーでありIBM AIセンター長を務める山田敦氏が語り合った。

株式会社東芝
コーポレート デジタイゼーションCTO
デジタルイノベーションテクノロジーセンター長
山本 宏氏
日本アイ・ビー・エム株式会社
技術理事 IBM AIセンター長
データサイエンティスト・プロフェッションリーダー
工学博士
山田 敦氏

まだ勝負はついていない、日本企業には復権のチャンスがある

 2020年2月末時点の世界の株式時価総額ランキングを見ると、上位で目立つのはデジタルテクノロジーを用いたプラットフォームや新しいプロセスを武器に製品やサービスを幅広く提供している米国や中国の企業だ。実は平成元年(1989年)当時の同ランキングでは日本企業が7社もトップ10入りしていたのだが、いまや見る影もない。かろうじてトヨタ自動車が41位にランクインしているのが最高だ。まさに企業価値とイノベーションは大きく関係しているのである。

 イノベーションを支えるバックグラウンドの取り組みはどうか。残念ながらAIのトップ技術会議での論文数など研究開発の実績、人材層の厚さについても米国や中国に大きく水をあけられているのが現実だ。イギリス、フランス、ドイツなどの他の先進諸国とは国単位における政府投資規模でこそ拮抗しているものの、EU(欧州連合)といった地域全体での勢力を比較すると、やはり我が国は分が悪いと言わざるを得ない。

 では、すでに勝敗は決してしまったかというと、そう断じてしまうのは早計のようだ。東芝の山本宏氏と日本IBMの山田敦氏はともに、「まだ勝負はついていません。日本企業にも再び世界で輝くためのチャンスがあります」と語る。

 具体的に日本企業がAIをはじめとするデジタルテクノロジーでイノベーションを起こし、グローバル市場で復権していくためのカギはどこにあるのか――。2人の対談から多くの示唆を得ることができるだろう。

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