資料の紹介

 ものづくりには試作による検証が欠かせない。しかし自動車分野では試作、すなわち実車による検証がもはや難しいものになっている。背景にあるのはADAS(先進運転支援システム)や自動運転の急激な台頭だ。ADAS/自動運転は天候や路面状況、他の車両や歩行者など、走行に影響を与えるパラメータが多様で、その組み合わせ全てについて検証しなくてはならない。必要な走行テストの量は数十億kmとも言われており、実車で検証を完結できるレベルを遙かに超えている。従来の設計開発手法では今の需要拡大スピードに追いつかなくなっているのだ。

 その効率化を進める手法として、仮想環境の活用などが期待されている。コンピュータ上で高速に繰り返し自動検証できるようにすることで、実車というハードウエアを作る前に安全性を十分高めることが可能だ。

 本特集では、仮想環境でのシミュレーションを始めとしたADAS/自動運転の設計・開発ソリューションをまとめている。シミュレーションでも実車によるテストが完全に不要になるわけではない。それでも、膨大な検証作業の軽減には間違いなく効果的といえよう。