社員1人ひとりは、豊富な知識や経験、アイデアを持っている。それなのに部門の壁に阻まれて組織の“血流”が滞ってしまう。こんな長年の課題をICT(情報通信技術)により、社員同士の新たな“つながり”を作り出す。そうすることで様々な課題を解決する動きが出てきた。有力ツールが社内SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)だ。

 これまで長年にわたってオフィスのコミュニケーションで主役を張り続けたのが電子メール。しかしその限界も見えてきた。

 「ちょっとしたことを伝えるにも、あいさつなどの前置きが必要で、まどろっこしい」「テキスト中心だと意図が的確に伝わらない」「複数メンバーで使うとやり取りが見えなくなる」。その結果、重要なメールを見落として仕事に支障を来したり、誤解を受ける書き方のせいで人間関係がぎくしゃくしたり。あなたにも経験はないだろうか。

 新たなつながりを実現する、最もホットなツールが社内SNS。簡単にコメントを書き込めて、“対話”を一覧できる使いやすさがある。ピープル・コネクティビティを重視する先進企業では、社内SNSを「新しいアイデアをもたらすコラボレーションの促進」「プロジェクトの加速」「ノウハウの共有」「一体感の醸成」に生かしている。

スマホアプリ拡充のアイデアを生む
KDDI

 東京・渋谷の新名所、「ヒカリエ」にあるKDDIのオフィス。スマホアプリや商品クーポンなどを提供する、auのスマートフォン利用者向け会員制有料サービス「auスマートパス」など、KDDIの新規ビジネスに関わる社員約500人が働く。

●KDDIの「auスマートパス」の事業部門では社内SNSで新アイデアが生まれている
●KDDIの「auスマートパス」の事業部門では社内SNSで新アイデアが生まれている

 ヒカリエオフィスでは隔週1回、早朝に新サービスの社内勉強会が開かれている。顧客獲得に向けた各部署の取り組みが披露されるが、熱気はその場だけでは終わらない。

 2013年8月、子供を対象に学習用スマホアプリなどを提供する新サービス「こどもパーク」の勉強会が開かれた。その直後には、社内SNSに質問や問い合わせが書き込まれた。

 そのなかには「自分たちはこれまで別のサービスで、スマホアプリを提供してきた。子供向けのものも扱っているのだが、こどもパークで提供してもらえるだろうか」といったものも。勉強会に参加したほかのサービス担当社員からだった。

 こどもパーク担当社員の答えは「OK」。それがきっかけとなって、部署を横断して企画が次々と立ち上がり、こどもパークで提供するスマホアプリの拡充につながった。

「フリーアドレス採用を機に導入した社内SNSで、予想以上の効果を得ている」と、新居眞吾ビジネス統括部長(右)と空閑俊二課長補佐は話す
「フリーアドレス採用を機に導入した社内SNSで、予想以上の効果を得ている」と、新居眞吾ビジネス統括部長(右)と空閑俊二課長補佐は話す

 ヒカリエオフィスにある部門では、2011年冬からトークノート(東京・港)が提供するクラウドサービスを使って社内SNSを運用している。「社内SNSを通して、異なるサービスの担当者同士のコラボレーションが生まれ、サービス内容を充実させる成果が出ている。オフィス内のコミュニケーションが活性化してきた」。KDDIの新居(におり)眞吾新規事業統括本部新規ビジネス推進本部ビジネス統括部長はこう語る。

この先は日経 xTECH Active会員の登録が必要です

日経xTECH Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。