米マイクロソフトのコーポレートバイスプレジデントを務める沼本健氏。通商産業省(当時、現経済産業省)に入省後、米スタンフォード大学でMBA(経営学修士)を取得し、米マイクロソフトに転職したという経歴の持ち主だ。クラウド事業のマーケティング責任者である沼本氏に、同社のクラウド戦略や他社との違いについて聞いた。

(聞き手は井原 敏宏=日経コンピュータ


サティア・ナデラ氏がCEO(最高経営責任者)に就任してから、クラウド事業ではどんな変化があったか。

写真●米マイクロソフト コーポレートバイスプレジデント クラウド&エンタープライズ マーケティンググループ 沼本健氏
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 クラウド事業では「コンサンプション(消費)」、つまり顧客がいかに我々のクラウドサービスを利用しているかという点に注力するようになった。

 売り上げに関するデータよりも、ともかく何社の顧客、何人の顧客が我々のクラウドサービスを使っているか、先週使っていたユーザーは何分利用していて、それが今週は何時間に増えているかといったデータの報告を重視している。

 このように、我々のクラウドに関する1番の目標は「使ってもらってなんぼ」ということだ。この前提に立つと、サティアがCEO就任後に進めている施策の説明が簡単になる。

 なぜMicrosoft Azureで米オラクルのデータベースや米IBMのミドルウエアをサポートするのか、なぜOfficeをiPad向けに投入したのかという疑問も、ユーザーにAzureやOfficeをより多く使ってもらうためと説明できる。

他社と比べたマイクロソフトのクラウドならではの特徴は何か。

 まず前提としてAzureでいうと、グローバルな規模で展開している。現在19の地域(リージョン)でAzureを運用しており、これは米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の約2倍、米グーグルの5~6倍の規模だ。さらに毎年数兆円の設備投資を続けている。

 同じくグローバルな規模でサービスを展開しているAWSやグーグルと比較した場合、さらに2点大きな違いがある。一つはハイブリッドクラウド、もう一つはエンタープライズにより注力している点だ。

 エンタープライズで例を挙げるとコンプライアンス(法令順守)、セキュリティ、プライバシーに対する取り組みは他社を先行していると自負している。

 細かい話だが、Azureはクラウドにおけるプライバシーコントロールを定めた国際標準の「ISO 27018」にいち早く準拠した。これは顧客のデータを広告目的に使わないなどの基準を満たしていることを、第三者の認証を得て保証するものだ。

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