米EMCのストレージの一つである「Isilon」は、文書ファイルやマルチメディアデータ、ビッグデータといった日々増え続ける非構造化データの格納に適したスケールアウト型のNASストレージである。
 2016年第一四半期には、仮想アプライアンス版の「IsilonSD Edge」をラインアップに追加する。これと同時に出荷となる次期OS「OneFS.NEXT」(仮称)では、アクセス頻度が小さいデータをクラウドストレージに退避させる新機能「Isilon CloudPools」も追加する(関連記事:スケールアウトNAS「Isilon」に仮想版、階層化はクラウドストレージに対応)。
 ITproは2015年11月16日、新機能の発表に合わせて来日したプロダクトライン担当シニアバイスプレジデントのフィル・バリンジャー氏に、Isilonの動向と新機能の詳細を聞いた。

(聞き手は日川 佳三=ライター)

Isilonの位置付けは。今回発表した新機能の意味は。

写真●米EMC、エマージングテクノロジー事業部、EMC Isilonプロダクトライン担当シニアバイスプレジデント、フィル・バリンジャー氏
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 Isilonは、非構造化データを保存するスケーラブルNASだ。企業のファイルサーバーとしての使い方や、データのバックアップ/アーカイブ用途などに使える。さらに、HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)、HadoopやSplunkなどを利用したビッグデータ分析などにも使われる。

 こうした需要に応えるため、これまでにも多くの機能を拡張してきた。一方で、今回発表した二つの新機能は、Isilonがこれまでに経験した中で最も大きなリリースになる。本社のデータセンター、遠隔拠点、クラウドストレージの三つがシームレスにつながるようになる。このリリースに向けて3年前から作業を進めてきた。

 新機能はそれぞれ、遠隔拠点(エッジ)向けに用意する仮想アプライアンス版のIsilonストレージ「IsilonSD Edge」と、クラウドサービスを含んだオブジェクトストレージをストレージ階層として使えるようにする自動階層化機能で、アクセス頻度が小さいデータをクラウドストレージに退避させる「Isilon CloudPools」である。

IsilonSD EdgeとIsilon CloudPoolsを開発した背景は。

 企業が抱える情報は増え続けている。企業組織も大きくなり、世界各地に拠点が分散している。こうした中、これまでは「データレイク」と呼ぶ構想を提唱し、データ管理のロケーションを本社のデータセンターに一元化することを推進してきた。ところが、このやり方ではまかなえないほどにデータが増え、企業組織が拡大してきている。「もっとよい方法はないか」という声が高まっていた。

 この課題を解決するために、コア(本社のデータセンター)とエッジ(遠隔拠点)の両方にIsilonストレージを配置して、Isilonストレージが持っているデータレプリケーション機能を使ってデータを同期させられるようにする。コアとエッジで相互にデータを持ちつつ、全体でデータを一元的に管理できる。

 これとは別の課題で、「データをクラウドストレージに移動させてストレージ費用を下げたいが、なかなか上手くいかない」という声もよく聞いた。さらに、単にデータを移動させるだけでなく、「ユーザーやアプリケーションに影響を与えずに、これまでのストレージアクセスと使い勝手を変えることなくクラウドストレージを活用したい」という声が多かった。

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