現在、デジタルテクノロジーを活用した商取引の規模が、全世界で年間100兆円規模にまで成長している。物理的なモノを売っている企業であっても、売り上げの半分はインターネット経由になってきている。

 先進的な企業の最高経営責任者(CEO)は、「2020年までにデジタル関連の売り上げを少なくとも80%にする」と言っている。2015年現在でも、大企業の半数はデジタルビジネスに何らかの形で取り組んでいる。

 ガートナーでは、デジタルビジネスを「デジタルの世界と物理的な世界の境界を曖昧にすることによって、新しいビジネスデザインを創造すること」と定義している(図1)。これは、デジタルテクノロジーを使ってビジネスの仕組みを変革することを意味している。

図1●従来のアナログビジネスと、これからのデジタルビジネスの違い
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 こうしたデジタルビジネスの時代には、IoT(Internet of Things)センサーなどからビッグデータを集めるだけでなく、これらのデータからパターンを見出す「アルゴリズム」(コンピュータのプログラム)が重要になってくる。米Amazon.comや米Netflixに見られるレコメンデーション機能などが身近な例だ。

IT予算の40%は業務部門が主導、デジタルビジネスをけん引

 デジタルビジネスに取り組むための体制として、ガートナーではバイモーダル(二つの流儀)というコンセプトを提唱している。これは、高品質なシステムを作る従来のアプローチ(モード1)と、新しいテクノロジーを駆使する新しいアプローチ(モード2)を明確に分けて取り組むスタイルを指す。

 伝統的な会社の場合、既に取り組んでいる既存のビジネスを自動化するというアプローチによってモード2に切り込もうとする。これはこれで一つのやり方であり、王道ともいえるだろう。しかし初めからデジタルビジネスを指向している企業は、こうした伝統的な企業とは視点が異なっている。

 初めからデジタルビジネスを指向している企業は、既存のビジネスとは無関係のところでいきなり勝負をかける。例えば、顧客の行動を把握しようとする。マーケティングのアプローチで言えば、「何にニーズがあるか」ではなく「どのように顧客は行動しているのか」を元に商品やサービスを開発するのだ。

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