IoTを実現するために必要なテクノロジーは何だろうか。基本的には、4つの要素がある。

 まず欠かせないのは、「センシング」(計測、把握)だ。センサーで計測したデータを効果的に集めるための「ネットワーキング」(接続、収集)も必要。さらに、集めたデータから価値を生むための「アナリシス」(分析、評価)、分析結果をデバイスに反映する「フィードバック」(指示、制御)も必要になる。

低価格で入手できるテクノロジーの登場でプロトタイプが容易に

 これらの4つの要素を実現するために、様々なテクノロジーが使われる(

図●IoTを実現する様々なテクノロジー

 この中で今後重要になるのが、「モノ(センサーや組み込みシステム)」と「いままでのITシステム」をつなぐゲートウエイだ。

 自動車や工場内には、すでに、センサーや組み込みシステムが存在している。これらを単純に外とつなぐと、サイバー攻撃を受ける可能性がある。このため、ITシステムとの間に、ゲートウエイという境界を作って、攻撃から守る必要がある。

 ゲートウエイに関しては、市場でイニシアティブを取っているベンダーはまだ存在しない。このため、標準的なテクノロジーも存在しないが、今後は、標準化が進むだろう。もちろん業界ごとに、適用分野ごとに要件は変わるので、業界ごと、分野ごとに標準化が進んでいくだろう。

 もう一つ、テクノロジーに関して、注目すべきことがある。それは、格安で手に入るコンシューマ向けのテクノロジーが登場してきたことだ。例えば、インテルの「Edisonモジュール」や「Raspberry Pi」「BeagleBone」などのマイコンモジュール、あるいは距離測定技術の「iBeacon」などだ。こうした安いデバイスやテクノロジーを使うことで、IoTのプロトタイプを構築しやすくなった。

 このように、まずやってみることへの敷居が下がっていることも、IoTのビジネスへの期待とチャレンジをもたらす背景になっているといえる。

池田 武史(いけだ たけし)
NTT、KVH、Microsoftを経て、2010年11月より現職。企業のITインフラに関してネットワーキングとコミュニケーションの観点を中心に、アナリストとして活動している。コミュニケーションの研究、ネットワークインフラの企画、データセンターおよびインターネット接続サービスのビジネス推進、ソフトウエア開発のマーケティングなどITに関して幅広く活動してきた経験を基に、今後のITインフラのあり方に関する支援・助言を行っている。大阪大学基礎工学研究科修士課程修了。