ITオペレーション(ITインフラ基盤の運用/運営)において、“自動化”は古くて新しい話題である。ITを事業に活用している企業であれば、自動化に手を付けざるを得ない。

 既に自動化に取り組んでいる企業も、自動化の適用範囲を広げていかなければならない。「自動化をやるかやらないか」ではなく「何を自動化するか」という段階に来ている。

 デジタルビジネスの世界では、従来では考えられない環境の変化や要件の変化が起こる。変化は登場しては消えていく。このスピードに追従していく方策が問われている。このためには、自動化の技術を使いこなしていかなければならない。

 自動化の重要性を理解している企業は多いが、リアリティとして必要性を感じている企業は少ない。例えば、実店舗型の小売業の多くは、ITを駆使してネットビジネスを展開するライバルによって売り上げを落としている。

 こうしたITを武器にして市場に参入してくる事業者に対抗するには、ITオペレーションのスピードを高める必要がある。オペレーションに人間が関わると競争優位に必要なスピードを維持できないので、自動化は必然となる。

 デジタルビジネスの実現には、バイモーダルと呼ぶ、物事への取り組み方についての異なる二つの流儀(モード)を共存させる考え方が重要になる。ITオペレーションをバイモーダルの視点でみると、ITサービスを安定的に維持管理するモード1(従来の“IT運用”)の考え方と、デジタルビジネスに対してITサービスを迅速にリリースして改善するモード2(これからの“IT運営”)の考え方を、両立させる必要がある(図1)。

図1●IT運用管理をバイモーダルで捉える。ITサービスの安定的な維持と管理の「モード1」とITサービスの迅速なリリースと改善の「モード2」の両面で捉える
(出典:ガートナー)
[画像のクリックで拡大表示]

 モード1の考え方を適用するIT領域であっても、モード2の考え方を適用するIT領域であっても、スピード感を持ってオペレーションしていくためには、人手を介さない自動的なITプロセスの処理、つまり自動化が重要になる。

まずは日々の運用タスクをツールやIaCで自動化せよ

 ITオペレーションで自動化の対象となる領域は多岐にわたるが、三つに大別できる(図2)。(1)ITのタスクやプロセスの自動化、(2)ITシステムを迅速にリリース/改善するための自動化、(3)インテリジェンスを用いた故障予知などの自動化である。

図2●ITオペレーションにおいて自動化の対象となる領域は主に三つある。ITのタスクやプロセスの自動化、ITシステムを迅速にリリース/改善するための自動化、インテリジェンスによる故障予知などの自動化である
(出典:ガートナー)
[画像のクリックで拡大表示]

 (1)のITのタスクやプロセスの自動化では、人手でやっていた日々の運用管理業務を自動化する。まだ自動化に取り組んでいない企業は、真っ先に取り組まなければならない。

 自動化によって人件費を削減できる。浮かせられた人材は、ビジネスに直接貢献できるプロジェクトに振り分ける。

 自動化できる日々の運用管理業務は多い。ファイルのコピーなど、システム管理者が実施する各種の手作業をスケジュールなどのトリガーで駆動したり、OSにパッチを当てたり、仮想サーバーをテスト環境や本番環境に配備したり、システム連携のワークフロープロセスを自動実行させたり、といったものがある。

 これまで運用管理用のバッチファイルやシェルスクリプトを書けば運用を自動化できていたが、それにはベンダーのエンジニア並みの専門知識が必要だった。しかし、現在では運用自動化のための商用/オープンソースの専用ソフトが数多くある。最近では、Infrastructure as Code(IaC)と呼ばれる、コードによるインフラの構成自動化を実装したツールも多い。こうした運用自動化ソフトによって、今ではユーザー企業でも比較的簡単に実現できるようになっている。

この先は日経 xTECH Active会員の登録が必要です

日経xTECH Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。