家庭向けの電力小売りが2016年 4 月に自由化される。今回は、個人ユーザーとしての電力会社の切り替え意向を読者モニターに尋ねた。

Q1. 2016年4月以降、電力会社の切り替えを検討しますか?

 検討予定を聞いた結果は、「分からない」が41.7%と最も多かった。「しない」は37.1%、「する」は21.1%にとどまった。集合住宅では管理組合の決議が必要となるほか、賃貸住宅も実質的に選択権がないため、「分からない」「しない」としたユーザーが多分に含まれるとみられる。サービスに関する情報も全般的に少なく、様子見と考えているユーザーは多いようだ。

 検討しない理由は、「現状に不満はない」が32件(49.2%)と最も多かった。以下、「電気料金が大して安くなるとは思えない」が31件(47.7%)、「切り替えの手続きが面倒」が20件(30.8%)、「切り替えた後のトラブルが心配」が16件(24.6%)と続く。

Q2. 切り替えを検討しない理由はどれですか?
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 一方、検討を予定するユーザーには理想のサービス像を聞いた。料金面で期待する割り引きの水準は「10%以上」が21件と最も多く、過半数(56.8%)を占める。電力会社を切り替える動機となる割り引きの水準も「10%以上」が 18件(48.6%)、「4~ 5%」が 11件(29.7%)である。電力業界では大幅な割り引きを実現できるだけの技術革新やコスト効率化などが特段に進んでいるわけではないが、料金競争への期待は大きいようだ。

 料金以外に期待する点は「提供会社独自の特典」が20件と最も多かった。以下、「使用量の可視化」が19件、「ポイント還元」が13件、「節約に向けたアドバイス」が12件と続いた。「新電力」として期待する業種はガス会社(25件)や通信会社(24件)、「鉄道会社」(10件)などが挙がった。このうち、通信会社が提供する電力とのセット割については「期待している」が20件、「期待していない」が11件、「どちらとも言えない」が6件という評価になっている。

 自由記入欄では、電力の安定供給を不安視する意見が多かった。初期費用や工事費用、解約時の違約金などを心配する声も目立ち、「携帯電話のように愚かな顧客争奪戦になってほしくない」という厳しい指摘もあった。

回答者のコメントから
 電力の自由化で価格競争意識が醸成されることは意味のあること。だが、電力は生活の基盤を支える「商品」のため、過度の価格競争や異業種参入による混乱などにより、生活インフラがかえって脆弱とならないようにしてもらいたい。通信会社については、電力との抱き合わせにより、乗り換えを不便にするような仕組みを作ることは避けてもらいたい。
●調査概要
調査対象:「日経コミュニケーション」読者モニター
調査方法:日経BPコンサルティングのインターネット調査システムで実施
調査日程:2015年11月18~27日
回答企業数(回収率):417社中175社(42.0%)