米DXCテクノロジーが日本で攻勢をかける。なじみの薄い社名だが、世界では米IBM、アクセンチュア(Accenture)に次ぐ売り上げ規模の企業向けITサービス大手だ。

 DXCテクノロジーは、米ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)から分離したエンタープライズサービス部門と、米国のITサービス企業であるコンピュータ・サイエンス・コーポレーション(CSC)が合併し、2017年4月に誕生した。HPEのエンタープライズサービス部門は、同社が2008年に買収した米エレクトロニック・データ・システムズ(EDS)を前身に持つ。

 日本法人も米国と同じく2017年4月に発足していたが、2018年12月7日に開催した戦略説明会まで表立った動きがなかった。DXCテクノロジー・ジャパンの西川望社長は「最初の1年間は組織作りや社員教育、既存顧客への説明といった内向きの活動に費やしていた」と話す。

世界中の自社SEを一元管理

 DXCテクノロジー・ジャパンの特徴は「グローバルでスキル、知識を共有する仕組みを持ち、国の制約なくエンジニアをアサインできる点だ」(西川社長)とアピールする。既に国内での成果も出ているという。「ITサービス管理のSaaSであるServiceNowの導入に頓挫していた企業からの相談を受け、オーストラリア法人に所属するエンジニアが担当して4カ月で導入を成功させた事例がある」(同)。

 同社はグローバルで一体運営するタレントマネジメントシステムを持ち、エンジニアの得意分野、レベル、単価などを管理している(図1)。データ分析やクラウド移行、セキュリティー強化といったプロジェクトの種類や利用技術に応じて、適切なエンジニアをアサインする。

図1●国内で攻勢を始めたDXCテクノロジー・ジャパンの戦略
海外にいるグループのエンジニアをフル活用する体制で国内での顧客獲得を狙う
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 加えて、「スキルとコストの最適化だけを考えて、世界中にいるエンジニアでプロジェクトチームを作れる」(西川社長)。一般的な外資系企業では費用や収益の配分を考える必要があるが、DXCテクノロジーはそうした点を考慮しなくていい管理会計になっているという。

 世界中のエンジニアがスキルを持ち寄ってプロジェクトチームを作るというコンセプトはユニークだ。日本では実績の少ない技術も活用しやすい。ただ、世界で13万人、アジア地域全体で6万人の社員を抱えるのに対し、日本法人は約800人。海外のエンジニアに力を借りられる体制とはいえ、日本法人の規模が相対的に小さい。SE採用難の中、いかに日本法人の体制を拡大して成長につなげるかが課題となる。