NECの「CLUSTERPRO Dシリーズ」は、HA(高可用性)クラスタリングソフト「CLUSTERPROシリーズ」のラインアップの1つである。ハートビートの応答によってサーバー機を死活監視し、応答が途絶えるとシステムが停止したと見なし、別のサーバーで処理を引き継ぐ。障害時には待機系サーバーへの切り替えとともに、データ復元まで自動で実施する。
CLUSTERPRO Dの特徴は、本番系のストレージから待機系のストレージにデータを複製するミラーリング型の構成において、データの1次プールとしてクラウド上のオブジェクトストレージを利用できることである。障害発生時にはクラウド上で待機系サーバーを立ち上げ、オブジェクトストレージからデータをロードして復旧させる。
待機系サーバーを停止した状態で、データをオブジェクトストレージに一時的に格納する形態になる。これにより、待機系システムの維持費を削減できる。利用可能なオブジェクトストレージは当初、Amazon S3に限られる。今後、Microsoft AzureとNEC Cloud IaaSの各サービスが用意しているオブジェクトストレージでも利用できるようにする予定。
データのミラーリング方法(データ転送モード)は、同期ミラー、非同期ミラー、一定間隔のスナップショットミラー、の3種類から選べる。また、ネットワークの状況や業務のデータ更新量の変化に応じて、データ転送モードを自動で切り替えられるようにしている。
CLUSTERPRO Dシリーズの概要
用途と機能 | HA(高可用性)クラスタリングソフト |
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特に向く用途 | オンプレミスの業務システムを、ストレージのミラーリングによってクラウド上の待機系サーバーで引き継ぐ使い方 |
特徴 | 普段は待機系サーバーを停止させておき、ミラーリングデータをオブジェクトストレージ(Amazon S3)に一時格納しておく形態をとることで、待機系サーバーの維持費を低く抑えられる |
稼働OS | Windows、Linux |
価格(税別) | (オンプレミスの本番系サーバーとなる)物理サーバーは、CPUソケット当たり70万円 (クラウド側の待機系サーバーとなる)仮想サーバーは、仮想サーバー1台当たり84万円 異なる拠点間で遠隔クラスターを構成するのに必要なオプションライセンスは10万円 |
発表日 | 2015年10月14日 |
出荷日 | 2015年10月14日 |